2022 Fiscal Year Annual Research Report
染色体末端テロメア/サブテロメアの機能・構造維持メカニズム
Project/Area Number |
20H03185
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加納 純子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (10323809)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 染色体 / クロマチン / バウンダリー / 遺伝子発現 |
Outline of Annual Research Achievements |
一般的に真核生物は、遺伝情報であるDNAを含む線状染色体をもつ。線状染色体の末端には「テロメア」と呼ばれるドメインが存在し、生命維持に重要な役割を果たしている。そして、テロメアに隣接して「サブテロメア」と呼ばれるドメインが存在する。サブテロメアは、長大な重複配列が存在する等の実験手法的困難から、その機能がほとんど明らかにされてこなかった“染色体の未開の地”である。分裂酵母のサブテロメアの相同SH配列領域(約50 kb)では、ヒストンH3-K9残基のメチル化修飾を介して高度に凝縮したヘテロクロマチン構造が形成されることを発見した。一方、サブテロメアのSH領域に隣接するユニークな(他と高い相同性を示さない)DNA配列からなる約50 kbのSU配列領域では、前述のヘテロクロマチンよりさらに高度に凝縮したKnobと呼ばれるクロマチン構造が形成される。ヘテロクロマチンやKnobは、その凝縮構造によって遺伝子発現を抑制する効果を持つ。もしこれらが無秩序に染色体に広がると、ユークロマチン領域に存在する様々な遺伝子の発現が抑制され、細胞増殖に大きな影響を及ぼす。実際はそうならないように、サブテロメアの範囲はどのようにして厳密に決定されているのかを明らかにすることを目的とした。本研究により、分裂酵母の各サブテロメアには、それ以上ヘテロクロマチンとKnobが染色体内側に伝播しないようにするバウンダリーが存在することが示唆された。また、そのバウンダリー機能に関与する遺伝子をスクリーニングした結果、3つの候補遺伝子を同定することに成功した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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