2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidating the molecular mechanism of voltage-gated K+ channel KCNQ2 involved in the neuronal excitability and epilepsy
Project/Area Number |
20H03200
|
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
糟谷 豪 自治医科大学, 医学部, 助教 (80845115)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | イオンチャネル / 電位依存性チャネル / 構造生物学 / 電気生理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
中枢神経系に発現しその変異がてんかんの原因となる電位依存性K+チャネルKCNQ2が、膜リン脂質の一種であるPIP2を認識し構造変化することでチャネル開閉を可能とする仕組みの理解にむけて、立体構造解析および電気生理解析の両方の面から研究を開始した。 構造解析については、様々な生物種由来のKCNQ2についてC末端側にEGFPを融合したコンストラクトを作成し、蛍光ゲルろ過クロマトグラフィー法(FSEC)によりスクリーニングを行った。その結果、脊椎動物由来のKCNQ2について安定に精製できることを見出すことに成功した。更に、この脊椎動物由来のKCNQ2についてを微小孔のあいたカーボン膜上で急速凍結し低温電子顕微鏡で撮影を行ったところ、予備的な二次元平均像を得ることに成功した。今後は撮影を継続し、粒子数を増やすとともに、クラスタリング、アライメントの精密化を行うことで、立体構造の決定を試みる。また、構造決定がうまく行かない場合に備え、各種N末端およびC末端の構造をとらない領域を欠損したコンストラクトも作成し、これらについても精製、低温電子顕微鏡による単粒子解析法から立体構造が決定できるか検討する。 電気生理解析については、上のFSEC法により同定したこの脊椎動物由来のKCNQ2をアフリカツメガエル卵母細胞で発現するためのベクターにクローニングし、二電極膜電位固定法により測定を行った。その結果、安定して電流を測定することに成功した。現在は、KCNQ2の持つ電位センサーの動きを可視化するためにシステイン残基架橋により蛍光試薬でラベルすることを試みている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的であるKCNQ2が、膜リン脂質の一種であるPIP2を認識し構造変化することでチャネル開閉を可能とする仕組みの理解に向けて、安定に精製することができかつアフリカツメガエル卵母細胞を用いた二本差し膜電位固定法により電流を測定できるKCNQ2コンストラクトの同定に成功した。今後の実験見通しも立っておりおおむね順調に進行していると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
構造解析については、クライオ電子顕微鏡を用いた撮影を継続し、粒子数を増やすとともに、クラスタリング、アライメントの精密化を行うことで、立体構造の決定を試みる。また、各種N末C末欠損体も作成しこれらについても立体構造解析の条件検討を行う。電気生理解析については、システイン残基を導入し蛍光試薬架橋を行う位置を更に検討する。
|