2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidating the molecular mechanism of voltage-gated K+ channel KCNQ2 involved in the neuronal excitability and epilepsy
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20H03200
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
糟谷 豪 自治医科大学, 医学部, 助教 (80845115)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | イオンチャネル / 電位依存性チャネル / 構造生物学 / 電気生理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
中枢神経系に発現しその変異がてんかんの原因となる電位依存性K+チャネルKCNQ2が、膜リン脂質の一種であるPIP2を認識し構造変化することでチャネル開閉を可能とする仕組みの理解にむけて、立体構造解析および電気生理解析の両方の面から研究を開始した。 構造解析については、同定した安定に精製できることを見出すことに成功した脊椎動物由来のKCNQ2について、微小孔のあいたカーボン膜上で急速凍結し低温電子顕微鏡で撮影を行ったところ、予備的な二次元平均像を得ることに成功した。その後、撮影を継続し粒子数を増やすとともに、クラスタリング、アライメントの精密化を行うことで、立体構造の決定を試みた。その際、バッファーやタンパク質の濃度などの条件を検討した。しかしながら、現時点では立体構造の決定には至っていない。この原因として、現在対象としているコンストラクトが構造解析に適していない可能性を考えている。そのため、本年度は生物種の検討を再度行うとともに、同定した生物種についてN末/C末等の特定の立体構造を取りにくく構造解析に悪影響を及ぼすような領域を欠損したコンストラクトの検討も行い、その上で立体構造の決定を目指す予定である。 電気生理解析については、ヒト由来KCNQ2について電位センサーの動きを可視化するためにシステイン残基架橋により蛍光試薬でラベルすることを試みた。しかしながら、安定的にシグナルを得ることができる条件を見出すことができなかったため、他の生物種についても検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度構造解析に向けて同定したKCNQ2のコンストラクトでの構造解析がうまくいかず、新たに生物種を検討しなおす必要が生じたため。ただし、現時点で候補となるコンストラクトは複数得られており今後遅れを挽回することは十分期待可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
構造解析については、クライオ電子顕微鏡を用いた構造解析に適した生物種の検討を再度行うとともに、同定した生物種についてN末/C末等の特定の立体構造を取りにくく構造解析に悪影響を及ぼすような領域を欠損したコンストラクトの検討も行う。電気生理解析については、システイン残基を導入し蛍光試薬架橋を行う位置や生物種を更に検討する。
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Research Products
(2 results)