2020 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体からの巨大分子分泌と外界シグナルによる分泌制御機構の解明
Project/Area Number |
20H03203
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
齋藤 康太 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (60549632)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 分泌 |
Outline of Annual Research Achievements |
分泌は小胞体で合成したタンパク質がゴルジ体を経由し、細胞外へ運ばれる過程であり、細胞分裂期には停止する。この際、ゴルジ体は断片化し細胞分裂が完了すると再形成される。しかし分泌の出発点である小胞体上のドメイン、「ER exit site (ERES)」の崩壊・再形成の機構は全くわかっていなかった。代表者は、巨大分子コラーゲンの小胞体からの分泌を担う因子としてTANGO1を同定し、機能解析を行ってきた。本研究では、引き続きERESにおける巨大分子の分泌機構を解析することに加えて、外界シグナルに応じた分泌制御機構を明らかにすることを目的とした。 研究代表者は、これまでTANGO1と、ERES構成因子の足場タンパク質であるSec16の結合によってERESの形成が促されることを見出してきた。さらに、細胞分裂期にはTANGO1がリン酸化修飾されることによって、TANGO1とSec16の結合が減弱し、ERESの崩壊が促されること、細胞分裂が終了するとTANGO1が脱リン酸化されることにより、TANGO1とSec16の結合が回復し、ERESが再形成されることを見出してきた。本年度において研究代表者は、Sec16側の修飾の有無に着目し、TANGO1とSec16との結合が、Sec16側の修飾によっても制御されうる可能性を検討することを試みた。まずは、Sec16の新規結合因子の探索を行なった。このためにSec16のモノクローナル抗体を新たに作成した。モノクローナル抗体を用いて、Sec16の結合因子をさまざまな条件下の細胞からの免疫沈降を行うことによって、濃縮し、マススペクトロメトリーによる同定を試みた。その結果、新規Sec16結合因子の候補を複数得ることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はSec16のモノクローナル抗体を作成し、新規結合因子の候補をさまざまな条件下の細胞からの免疫沈降および、その後のマススペクトロメトリーによる解析により同定することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
新規Sec16結合因子の候補中に実際にSec16の修飾を制御するタンパク質が含まれているか、精査する。
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Research Products
(6 results)