2022 Fiscal Year Annual Research Report
Structural basis for alternating access mechanism of ABC multi-drug pump in lipid membrane
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20H03222
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 博章 京都大学, 薬学研究科, 教授 (90204487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
潘 東青 京都大学, 薬学研究科, 特定研究員 (50710787)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | トランスポーター / 多剤耐性 / 膜タンパク質 / 構造生物学 / CryoEM / X線結晶解析 / 構造薬理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、生体防御の最終バリアーであると同時に癌の獲得多剤耐性の原因であるATP結合カセットトランスポーターABCB1が、1)非常に多種多様な化学構造の分子を排出できる能力、2)極めて効率的な基質輸送と動力獲得の化学反応(ATP結合と加水分解)を共役させて能動輸送を実現する能力に焦点を当て、それぞれの仕組みを立体構造とその動きから明らかにすることを目的としている。今年度は、以下の3点について研究を行った。 1.CmABCB1の基質結合部位の解明:CmABCB1と基質との化学量論的な複合体を調製し基質の結合様式を明らかにする。2021年度には、2020年度に得られた基質アナログとCmABCB1の複合体の結晶のX線結晶構造解析を実施できた。2022年度は、基質アナログが共有結合する部位となるシステイン残基を様々な部位に導入して結合様式を変更した場合について、同様にX線結晶構造解析を実施した。その結果、実験を行ったいずれの変異体でも複合体を結晶化して立体構造を決定することができた。そして、このトランスポーターでは同じ基質でも多様な様式で結合可能であることが確認された。 2.交互アクセス構造変化の途中状態の捕捉と構造決定: CmABCB1をナノディスクに挿入しCryoEM単粒子解析により分子構造の決定を試みた。その結果、基質アナログが結合した複合体の構造を決定することができた。 3.リン脂質がトランスポーターに果たす機能調節メカニズム解明: 基質結合部位に部位特異的に導入したトリプトファン残基の蛍光強度が基質結合に伴い消光することを利用して解離定数を測定する系を確立した。その系を用いることにより、代表的な基質と阻害剤の解離定数を決定することができた。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)