2022 Fiscal Year Annual Research Report
クライオ電子顕微鏡による V型ATPaseの回転機構の解明
Project/Area Number |
20H03231
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
横山 謙 京都産業大学, 生命科学部, 教授 (70271377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
光岡 薫 大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 教授 (60301230)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | V-ATPase / 回転分子モーター / ATP synthase / クライオ電子顕微鏡 / 単粒子解析 / bioenergetics / ATP合成酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
R4年度では、クライオ電子顕微鏡により、 ATPの加水分解で回転する様子を再現することに成功した (Nature Communications, 2022). この研究成果から、3つある触媒部位で ATPの加水分解過程の1部が別々かつ同時に起こることで中心回転軸が回転し、効率よくATPの加水分解エネルギーを回転力に変換することを明らかにした。しかしながら、ATPがない状態の V/A-ATPase に ATPが結合した場合、1分子のATPだけで回転が起こる必要があり、このような1触媒部位による回転の報告はない。今回、初期状態の V/A-ATPaseが連続的に回転できる状態に至るスターター機構を解明するために、時間分解能スナップショット解析を行った.この結果、1.開いた部位に結合した ATPのみで 120度回転するが、回転前構造の滞留時間が長い。2.開いた部位に加え、閉じた部位にATPが結合した構造は、30秒後には消失していることから、この構造の滞留時間が短く、すなわち、回転前構造の滞留時間が短い。3.V/A-ATPase の全体構造は強固で、ATPが結合して 120度回転が起こることで、次の部位に ATPが結合し、3分子の ATPが結合した定常状態になる。4.V/A-ATPase の構造変化は離散的に起こり、FoF1 で見られた遷移的な開いた構造 (PNAS Nexus, 2022)を経ずに、基底状態から定常状態へ変化する。 これらの結果は、ATPの結合に加えて、結合した ATPの加水分解過程も回転力発生に関与することを示唆する。R5年度では、FoF1ATP合成酵素に関しても同様のクライオスナップショット解析を行い、より細かいステップを経て回転することを明らかにした (Nature Communications, 2023)
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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