2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20H03237
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久保田 浩行 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (40376603)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | トランスオミクス解析 / 脂肪肝 / 肥満 / システム生物学 |
Outline of Annual Research Achievements |
脂肪肝はインスリン抵抗性や非アルコール性脂肪肝炎・肝ガンの原因である。これまでに食餌性肥満誘導マウス(DIOマウス)を用いて複数のオーム階層の網羅的な解析が行われてきた。本申請ではDIOマウスを用いて脂肪肝の多階層に跨る時系列データから多階層ネットワークを同定・数理モデルを作成することで肥満進行の全体像を理解するだけでなく、多階層オミクスデータの解析手法を開発することを目的としている。既に取得した5~20週齢の肥満誘導マウスとコントロールマウス、合計40個体の肝臓サンプルからエピゲノム(H3K4me3, H3K27ac)、トランスクリプトーム、プロテオーム、リン酸化プロテオーム、メタボロームのデータの予定していた全てのオームデータを取得した。肥満誘導を行った肝臓サンプルからこれだけの時系列、オミクスデータを取得した例はなく貴重なリソースとなる。これらのデータから微分方程式モデルを用いて階層間の制御関係を推定する手法を開発した。また、リン酸化プロテオームとプロテオーム、トランスクリプトームのデータを用いてプロテオーム階層に対するリン酸化の役割を推定する手法も開発した。これらの手法は階層間の制御メカニズムを初めて推定を可能とした手法である。また、筋肉と肝臓における臓器連関の肥満における変容も明らかにすることができた。さらに、新たなトランスオミクス解析の手法を開発し、肝臓のインスリン作用に対するメタレベルでの制御機構を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナによる研究の遅れを取り戻せつつある。さらに臓器連関を見出すトランスオミクス解析の手法や、メタレベルでの制御機構を明らかにする手法を開発することに成功しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
肥満進行のサンプルを用いて引き続き解析を行い、脂肪肝進行の全体像を明らかにする。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Trans-omic analysis reveals obesity-associated dysregulation of inter-organ metabolic cycles between the liver and skeletal muscle2021
Author(s)
Egami R., Kokaji T., Hatano A., Yugi K., Eto M., Morita K., Ohno S., Fujii M., Hironaka K., Uematsu S., Terakawa A., Bai Y., Pan Y., Tsuchiya T., Ozaki H., Inoue H., Uda S., Kubota H., Suzuki Y., Matsumoto M., Nakayama K., Hirayama A., Soga T., Kuroda S.
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Journal Title
iScience
Volume: 24
Pages: 102217~102217
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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