2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a cell tracking algorithm using deep learning
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20H03244
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
舟橋 啓 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (70324548)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 画像解析 / 深層学習 / 機械学習 / 細胞系譜 / 細胞追跡 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は山縣研究室から提供いただいたマウス胚4次元蛍光顕微鏡画像を用いて畳み込みニューラルネットワーク(CNN)の構造、学習アルゴリズムの適否について詳細に検討を行った。研究協力者である東京大学小林徹也博士が構築した整数計画法によるトラッキングアルゴリズムを提供いただき、この整数計画法によるトラッキングアルゴリズムを基盤に深層学習による拡張を行う手法を検討した。提供いただいた整数計画法によるトラッキングアルゴリズムはトラッキングのコストを最小化する最適化問題を解くアルゴリズムとして構成され、コストは時系列画像のフレーム間毎の各細胞同士の重心間距離が採用されている。コストの和が最小となる対応関係が時刻間の細胞の接続関係として推定されるため、本年度では上記アルゴリズムを拡張し、細胞間距離のみをコストとして採用するのではなく、他の指標を含めた最適なコスト関数を導出する学習器の設計を行った。具体的には、細胞核の形状から特徴を抽出し、コスト関数に組み込む手法を提案した。当研究室により開発された細胞同定アルゴリズムであるQCANet は世界最高精度で細胞核の形状を同定(セグメンテーション)することが可能である。次年度以降の実装方針として、QCANet により取得された細胞の形状を学習器の入力に与える手法を採用することが決定した。
研究開始初年度であるため学術論文はまだ出ていないが、招待講演3回、基調講演1回、総説2報、ポスター発表1報にて本研究の進捗を報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の今年度の予定ではマウス胚4次元蛍光顕微鏡画像の解析及びニューラルネットワークの構造と特徴抽出についての詳細な検討、既存の画像処理アルゴリズムを採用しているトラッキングアルゴリズムとの比較を主眼としていた。実際には調査のみにとどまらず、機械学習アルゴリズムの試験的実装まで到達した。また、現状では予備評価でしかないが、既存のアルゴリズムとのトラッキング精度の比較まで進めることが出来た。今年度の成果は次年度以降の開発方針を決定する上で重要な情報であり、十分な成果を得られたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は畳み込みニューラルネットワークを用いて物体の特徴を抽出し、形態的特徴を活用したトラッキングアルゴリズムの開発に注力する。既に深層学習を用いた細胞同定アルゴリズムであるQCANetの実装は完了している。QCANetは世界最高精度で細胞核を同定(セグメンテーション)することが可能であり、QCANetで得られた細胞核の特徴を活用し、トラッキングアルゴリズムに活用することを計画している。
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