2020 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of a novel sleep-inducing gene, nemuri
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20H03291
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
戸田 浩史 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 助教 (80862010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白木 賢太郎 筑波大学, 数理物質系, 教授 (90334797)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 睡眠 / ショウジョウバエ / 遺伝学 / 生化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
睡眠は神経系を持つすべての動物に保存されている行動にも関わらず、その分子メカニズムの多くが謎に包まれたままである。行動・遺伝学的スクリーンに優れ、分子遺伝学的操作が簡便なモデル動物であるショウジョウバエを用い、睡眠の分子メカニズムを明らかにする事を、本申請の目標とする。申請者は真に睡眠に重要な役割を果たす遺伝子を同定するため、ショウジョウバエを用いて遺伝子を一つ一つ神経系で発現させる「機能獲得型」のスクリーニングをおこなうことで、睡眠誘導を引き起こす遺伝子の探索に取り組んだ。12,000系統以上からショウジョウバエの睡眠行動検定法を用いてゲノム規模でのスクリーニングを完遂した結果、睡眠を非常に強く誘引する新規遺伝子“nemuri”の同定に成功した。本申請では、このNemuriに着目し、nemuriの睡眠誘引メカニズムを遺伝学的、および、生化学的に明らかにすることを目指す。まず、Nemuriタンパクの大量精製プロトコルを完成させた。これにより安定的に生化学の実験に用いる下地を作り上げることができた。次にnemuriをGal4/UASシステムとは独立した別のシステムで、しかも成虫特異的に発現するシステムを確立することができた。これにより行動スクリーニングを行う基盤を形成することができた。また、Nemuriを生化学的に細胞から精製するプロトコルを確立することができたので、Nemuriに結合する因子を同定することが可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は初年度ということもあり、研究室のセットアップに時間と費用を費やした。また、コロナ渦ということもあり試薬や外注の遅延により当初の予定より若干遅れが生じている。しかし、概ね今後の実験に必要な試薬や生物を用意することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は予定通り研究計画に沿って研究を進めていく予定である。
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