2022 Fiscal Year Annual Research Report
ユニバーサル時計遺伝子から紐解く体内時計の原理と起源
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20H03292
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
金 尚宏 名古屋大学, 生命農学研究科(WPI), 特任講師 (80822931)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 概日時計 / 温度補償性 / Na+/Ca2+交換輸送体 / CaMKII |
Outline of Annual Research Achievements |
時計遺伝子による転写・翻訳フィードバックループ (TTFL)モデルは、概日時計の基本骨格として30年近く受け入れられてきた。しかし近年、時計遺伝子が機能しない細胞においても概日リズムが観察されるなど、これまでドグマとされてきた転写時計中心説が揺らいでいる。そして、時計遺伝子は動物、植物、真菌、シアノバクテリアで独立進化したが、その共通祖先には起源的な振動本体が存在することが示唆されていた。申請者は、温度補償性という概日時計の特性を研究している中で、Na+/Ca2+交換輸送体 (NCX)とCa2+/カルモジュリン依存性タンパク質キナーゼII (CaMKII)がTTFLの上流に位置する鍵分子であることを見出した。そして、NCXを介した細胞内Ca2+シグナルは生物系統で保存された起源的な時計の仕組みであることを突き止めた。 本研究ではNCXおよびCaMKIIが個体レベルの体内時計においてどのような役割を果たすかを解析し、どのアイソフォームがどれくらい行動リズムの制御に関与しているのかを明らかにした。この過程で、NCX2heteroノックアウトマウスおよびNCX2heteroNCX3homoノックアウトマウスは、野生型マウスと比べて長周期の輪回し行動リズムを示すことを報告した(Science Advances, 2021)。さらに、CaMKIIalpha、CaMKIIbeta変異マウスを解析し、行動リズムのリズム性が低下することを見出した。また、培養細胞を用いた解析から、細胞内Ca2+リズムは非神経細胞にも普遍的に存在することが分かった。そして、低分子化合物を用いたスクリーニングにより、細胞内Ca2+リズムに影響を及ぼす低分子化合物をいくつか見出した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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