2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20H03301
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 幹子 東京工業大学, 生命理工学院, 教授 (40376950)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 進化発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
動物にとって不要な器官が退縮する際は、その器官の発生に関わる遺伝子の発現が変化することが知られている。走行に特化したエミューでは前肢が退縮しているが、近年、その前肢の退縮は肢形成に無関係な遺伝子が前肢芽に発現したためであることが示された。しかしながら、その発現がなぜ前肢の退縮に繋がったのかは不明のままである。本研究では、これまでの器官退縮機構とは異なり、遺伝子発現領域を新たに獲得するという積極的な方法で前肢を退縮しているエミューを題材に、前肢の退縮機構を明らかにすることを目標に研究を行っている。 2020年度は、エミューとニワトリの骨格パターンを解析し、その形態的特徴を詳細に記載した。さらに、発生段階毎に骨格と筋肉のパターンの解析も行い、各種マーカー遺伝子の分布についても明らかにした。また、遺伝子の機能解析実験も遂行し、その機能を明らかにすることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた全ての実験項目を実行することができ、予想以上の興味深い研究成果を得ることができた。一方で、国内でのエミュー牧場での産卵状況が良くなかったため、十分な例数を確保するのに、時間を要した。これは、当初想定していた海外からの入手がコロナ禍でできなかったことが関係している。このことから、おおむね順調に進展しているとした。
|
Strategy for Future Research Activity |
実験計画そのものは順調であり、当初の想定よりも早く全ての実験項目を行うことができている。昨年度は、実験は順調だったにもかかわらず、エミュー卵の入手が困難を極めたが、国内での新しい入手先を確保できたので、十分なサンプル数が揃い次第、結果をまとめたい。
|
Research Products
(4 results)