2021 Fiscal Year Annual Research Report
樹状突起演算および神経発火におけるスパインサイズの非線形効果の定量的解明
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20H03347
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
高木 朗子 (林朗子) 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, チームリーダー (60415271)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 精神疾患 / シナプス / 神経演算 / NEURONシミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
DISC1ノックダウンマウス、Calcineurinノックアウトマウス、Poly (I:C) 投与モデル、NR1ノックアウト(Ke et al, 2016, Cell Rep)を含めた4つの統合失調症モデルで共通に見られた現象は、“巨大なスパイン”が有意に増加するという異常なスパイン体積分布であった。そこで、そこで、このような現象が精神疾患モデルの共通の病態生理であることの普遍性がどの程度あるのか、もしくはあるSubsetだけに見られる現象なのかを検証するために、ゲノムワイドで唯一、統合失調症および自閉症に有意と再現されている遺伝子SETD1Aに注目し、患者と同じ遺伝子変異を再現したSETD1Aモデルマウスに、これまでのマウスモデルと同様の解析を行った。具体的には、生後60日のマウス前頭野領域(PrL)から急性スライス標本を作製し、グルタミン酸アンケージングを用いた単一スパイン刺激を、巨大スパインを含む様々な刺激パターンで行い、同時に樹状突起におけるカルシウムスパイクをCal-520の蛍光値から求め、同時に膜電位および神経発火はホールセルパッチクランプの電気記録を用いて同一細胞より検出した。どのようなシナプス入力が(巨大なスパインへの入力が1か所でもあれば良いのか、複数必要なのか?樹状突起におけるスパインの分布は重要なのか?)、どのような樹状突起イベントを生じ(時間積分、空間積分の定量化)、神経発火を誘発するかを定量した。このような所見をまとめ、現在、投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定していた実験は完遂し、興味深い所見をえた。そしてこの結果を出版するために投稿の準備が順調に進行したため。
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Strategy for Future Research Activity |
論文投稿し、それに伴う論文改定のための実験を行い、本課題で得られた所見の確からしさを高める。
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