2020 Fiscal Year Annual Research Report
樹状突起の機能的な3D空間配置を確立する発生システムの解明
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20H03352
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
桑子 賢一郎 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (30468475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱 徳行 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (60422010)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 樹状突起 / 形態形成 / 空間配置 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、樹状突起の3次元空間配置を制御する分子機構として小脳プルキンエ細胞のシグナル伝達経路に着目し、予備実験の結果をもとに、特にリン酸化酵素SIKに焦点を当てて解析を開始した。そして、その過程で、シグナル伝達経路の下流で樹状突起の形態を規定する細胞骨格制御をまず重点的に調べることにした。当該年度はおもに組織学的解析をおこない、これまでに発生期のプルキンエ細胞において特定の細胞骨格制御因子が伸展中の樹状突起内で極性をもって局在していることを見出した。また、初代培養プルキンエ細胞をもちいたタイムラプス観察によって、その細胞骨格制御因子のダイナミックな局在変化と樹状突起の伸展・分岐に相関があることも示唆された。これらの結果に基づき、今後は、対象をより拡大して、プルキンエ細胞で発現する細胞骨格制御因子群に関して半網羅的に発現・局在パターンを解析していく。また、当該年度は、エレクトロポレーション法による細胞・時期特異的な生体内遺伝子導入系を確立し、さらに種々の機能改変変異体タンパク質を発現するためのベクター作成を進めた。一方で、今後の解析で必要となる遺伝子改変マウス作成のために、ゲノム編集技術をもちいた新たな技術導入も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は、いくつか重要なデータが得られ、また今後の研究に必要な解析技術を確立し、発現プラスミドなどの解析ツールも作成しており、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
発生期のプルキンエ細胞で高発現する細胞骨格制御因子群に焦点を当てておもに以下の解析を進めていく予定である。 (1)樹状突起形成に関わる細胞骨格制御因子の発現解析 (2)細胞骨格制御因子群の発現操作による樹状突起形成への影響の解析 (3)細胞骨格制御のリアルタイム解析 (4)ゲノム編集技術による遺伝子改変マウスの作成
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