2023 Fiscal Year Annual Research Report
樹状突起の機能的な3D空間配置を確立する発生システムの解明
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20H03352
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
桑子 賢一郎 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (30468475)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 樹状突起 / 形態形成 / 空間配置 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、マウス小脳プルキンエ細胞の樹状突起の三次元構造を制御する分子機構の解明を目指してきた。これまでに、発生期のプルキンエ細胞で高発現しているアクチン骨格制御分子群を発見して、タイムラプス観察などの細胞生物学的解析によってそれらの分子群の樹状突起形成への関与を示してきた。さらに、アクチン骨格制御分子群の特異阻害剤を用い実験をおこない、それらの分子の樹状突起形成における重要性を明らかにした。当該年度は、これまでに引き続き、子宮内エレクトロポレーション法とアデノ随伴ウイルスベクターをもちいた遺伝子導入により生体内機能操作実験をおこなって、プルキンエ細胞の樹状突起形成に重要な特定のアクチン骨格制御分子の同定を進めた。そして、アクチン線維の分岐に関わることが知られている制御分子Arp2/3とその上流活性化因子N-WASPが、プルキンエ細胞の大きな特徴である1本の大きな樹状突起の構築に必須であることを発見した。小脳内で樹状突起の発生初期からArp2/3-N-WASPシグナル経路を阻害すると、樹状突起形成の初期ステージで発生が止まり、生後3週以降の成熟期になっても全方向性に多数の樹状突起が残されたままで著しい形成不全が起こることを示した。また、1本の樹状突起が選択された後のステージからArp2/3-N-WASPシグナル経路を阻害した場合も、樹状突起の伸展や分岐に異常が生じ、樹状突起の矮小化が起こることを明らかにした。これらの結果は、プルキンエ細胞の樹状突起の機能的な三次元構造の構築に、アクチン骨格の厳密な制御が必須であることを強く示唆している。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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