2022 Fiscal Year Annual Research Report
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20H03355
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上川内 あづさ 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (00525264)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歌識別学習 / 神経回路機構 / GABAニューロン |
Outline of Annual Research Achievements |
幼児は、成長初期に母語に曝されることで、その言語が持つ音の特徴を識別する能力を発達させる。このような言語発達のメカニズムを理解するための新たなモデル系として、私たちは近年、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)において、「歌識別学習パラダイム」を確立した(Li et al., 2018)。この学習パラダイムは、キイロショウジョウバエが求愛行動時に発する求愛歌を聞き分ける能力が、経験により上昇する、という現象に基づいて私たちが構築した実験系である。この歌識別学習にはGABAニューロンを介した抑制性伝達の作用が重要であるが、そのような制御を担う実態はわかっていない。 そこで本研究では、Intersection 法、と呼ばれる分子遺伝学的な手法を用いて、責任GABAニューロン候補の絞り込みを進めた。昨年度までに、配偶行動を制御する細胞群の性分化に関わる遺伝子を発現するキイロショウジョウバエ頭部のGABAニューロンを、責任GABAニューロンの有力候補として同定した。今年度はこの候補ニューロンが実際に歌識別学習の成立を担うかを、遺伝子発現操作により確認しすることで確定した。さらに、キイロショウジョウバエのRNAseq公開データベースを利用して、この責任GABAニューロンで発現する、神経伝達物質の受容体を網羅的に同定した。そこで次に、個々の受容体遺伝子に関して、責任GABAニューロンでの発現をRNAiにより抑制した。その結果、歌識別学習を制御する神経伝達物質群の同定に成功した。以上の解析を通じて、歌識別学習の成立を担う神経細胞及び分子機構を解明した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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