2023 Fiscal Year Annual Research Report
中枢シナプスにおけるグルタミン酸とGABA共放出の可塑性とその役割
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20H03358
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
橋本谷 祐輝 同志社大学, 研究開発推進機構, 准教授 (50401906)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 乳頭体上核 / 歯状回 / 顆粒細胞 / 長期増強 / シナプス可塑性 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究によって乳頭体上核ー歯状回顆粒細胞シナプスにおいて、脱分極によって誘導される長期増強と、乳頭体上核入力と顆粒細胞の活動をペアで刺激した時に誘導されるスパイクタイミング依存性の長期増強の2つの長期シナプス可塑性が誘導されることを明らかにした。さらに興味深いことにこの乳頭体上核ー歯状回顆粒細胞シナプスはグルタミン酸とGABAを共放出するユニークなシナプスであるが、上述の2種類の長期増強はグルタミン酸作動性のシナプス伝達においてのみ選択的に誘導される。同じシナプスでこのような誘導メカニズムの異なった長期増強が起こるメカニズムはよくわかっていない。 最終年度はこの2種類の長期増強の相互作用を調べた。その結果、片方の長期増強を誘導するともう一方の長期増強が誘導されないことがわかった。すなわち、先に脱分極性の可塑性を誘導するとスパイクタイミング依存性の長期増強が起こらず、逆にスパイクタイミング依存性の長期増強を先に誘導させると、その後、脱分極性の可塑性が起こらないことがわかった。この結果は両者が誘導メカニズムは異なるが、その後の下流分子メカニズムは同じであることを示唆する。 さらに我々は2色の別々の色で活性化されるチャネルロドプシンを乳頭体上核の別々の神経細胞に発現させ、2色の光刺激で乳頭体上核入力を刺激仕分けることを行なった。この手法によって、脱分極性長期増強は入力非依存的に誘導され、一方で、スパイクタイミング依存性の長期増強は入力特異的に誘導されることを明らかにした。 以上の結果から入力の違いによってそれぞれの長期増強が別々のシナプスで誘導されることが示唆された。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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