2021 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー反応を制御するエポキシ化オメガ3脂肪酸の産生機構・作用標的の解明
Project/Area Number |
20H03380
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河野 望 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 准教授 (50451852)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エポキシ化オメガ3脂肪酸 / PAF-AH2 / マスト細胞 / シトクロムP450 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体膜リン脂質にはアラキドン酸やDHA などの高度不飽和脂肪酸が豊富に存在しており、それらは酵素的・非酵素的に酸化され、酸化リン脂質を生成する。研究代表者はホスホリパーゼA2の一種であるPAF-AH2 が酸化リン脂質を分解することにより、生理活性脂肪酸であるエポキシ化オメガ3脂肪酸を産生し、アレルギー反応を司るマスト細胞を賦活化していることを見いだした。本研究では、シトクロムP450の解析を中心にエポキシ化オメガ3脂肪酸の産生経路を解明するとともに、ケミカルフォワードジェネティクスと核内受容体に着目したリバースジェネティクスによりエポキシ化オメガ3脂肪酸の標的分子を同定する。本年度は、エポキシ化オメガ3脂肪酸の産生酵素の候補である、Cyp4a12a, Cyp4a12b二重欠損マウスの表現型を詳細に解析した。マスト細胞のIgE/抗原刺激による活性化にはSrc family kinaseであるLynやFynの活性化が必須であるが、PAF-AH2欠損マスト細胞では、Srcin1(Src kinasesignaling inhibitor 1)が発現上昇しており、LynやFynの活性化が抑制されていることを明らかにしている。Cyp4a12a, Cyp4a12b二重欠損マスト細胞においてもSrcin1の発現上昇がみられ、LynやFynの活性化不全が起こっており、これまで見出したPAF-AH2-エポキシ化ω3脂肪酸軸と同軸にCyp4a12も位置することが示唆された。さらに、Cyp4a12a, Cyp4a12b二重欠損マウスでは即時型アレルギー反応が減弱しており、またそれがエポキシ化オメガ3脂肪酸の投与により回復した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Cyp4a12欠損マスト細胞、欠損マウス解析から、PAF-AH2欠損マウスと同じ表現型が得られ、Cyp4a12とPAF-AH2がマスト細胞機能制御において、同軸上で機能していることが明らかとなった。以上の成果から、本研究は概ね順調に進呈していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
エポキシ化オメガ3脂肪酸の作用標的の解明に取り組む。
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Research Products
(15 results)