2021 Fiscal Year Annual Research Report
筋線維芽細胞に特異的に発現する線維化促進分子の機能解析とその創薬応用への基盤構築
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20H03383
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
仲矢 道雄 九州大学, 薬学研究院, 准教授 (80464387)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 筋線維芽細胞 / 線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
線維化とは、コラーゲン等の細胞外マトリックスが過剰に産生された状態である。この線維化は、炎症を契機にして、常在性の線維芽細胞等が分化した、『筋線維芽細胞』という細胞群によって実行される。線維化は様々な臓器の病態を悪化させるが、未だ決定的な線維化治療薬はなく、革新的な線維化治療法、治療薬の開発が望まれている。 我々は、筋線維芽細胞に特異的に発現し、筋線維芽細胞によるコラーゲン等の線維化関連因子の産生を促進する分子を見出した。そこで本研究では、この分子による線維化促進機序を解明し、新規線維化治療法の開発基盤を構築することを目指す。 本年度は、目的分子のノックアウトマウスを作成した。そしてさらにこれらマウスを繁殖し、目的分子の肝臓の線維化への寄与を検討した。野生型マウスあるいはノックアウトマウスに超高脂肪コリン欠乏メチオニン減量飼料(CDAHFD)を給餌し、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)病態を誘導し、肝臓の線維化の程度を比較した。その結果、ノックアウトマウスの肝臓において線維化の有意な軽減が認められた。また、目的分子が肝臓の線維化の進行に伴い、発現量が増加することを見出した。そこでさらにヒトのNASH患者のデータセットを用いた解析を行い、マウスの場合と同じく、目的分子が線維化の進行に伴ってヒト肝臓での発現が上昇することを見出した。以上の結果から、着目する分子はNASH病態に密接に関与すると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね、当初の計画通りに進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、目的分子が筋線維芽細胞においてコラーゲンなどの線維化因子の発現を促進するメカニズムを解明していく。
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Research Products
(7 results)