2021 Fiscal Year Annual Research Report
抗腫瘍活性植物アルカロイドの探索と合成による創薬研究
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20H03395
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
北島 満里子 千葉大学, 大学院薬学研究院, 准教授 (60195261)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 天然活性物質 / 生物活性物質の探索 / アルカロイド / 化学合成 / 構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗腫瘍活性を有するアルカロイド類の取得を目指し、アカネ科植物(Ophiorrhiza属、Adina属)、ゲルセミウム科植物(Gelsemium属)、マチン科植物などの薬用資源植物についてアルカロイド成分の詳細な探索を行い、新規微量化合物を含むインドールアルカロイド類を単離した。そのうち、ベトナム産Gelsemium elegansの種子より新規微量成分として単離したモノテルペノイドインドールアルカロイドgelsevietmine-A, B, Cについては、スペクトル解析、不斉全合成あるいは既知アルカロイドからの化学変換を行うことでその構造を決定した。また、リコポジウムアルカロイドhuperzine Hの不斉全合成を達成し、文献上報告されていなかった相対・絶対立体配置を決定した。キョウチクトウ科コプシア属植物に含有される特異な骨格を有するインドールアルカロイド類や、イボガ型アルカロイドとその関連アルカロイドの不斉全合成を検討した。不斉合成を達成したイボガ型インドールアルカロイド類については、より効率的な合成ルートの確立に向けた検討を行った。取得した天然物、合成化合物について生物活性を評価中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アカネ科、ゲルセミウム科、マチン科などの薬用資源植物を対象としてアルカロイド成分の探索を行い、新規化合物を含む種々のアルカロイド類を単離し、その構造を決定することができた。また、既知アルカロイドの未決定であった絶対立体配置を決定した。これらの成果について論文として公表した。また、アルカロイド類の全合成研究を行い、イボガ型インドールアルカロイドなどの不斉全合成を達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、アカネ科、マチン科、キョウチクトウ科などの薬用資源植物について詳細なアルカロイド成分の探索と単離した化合物の構造解析を進め、新規化合物を含む多様なアルカロイドを取得する。 生物活性天然物、特異な骨格を有する微量天然物であるコプシアアルカロイド、イボガアルカロイドの不斉全合成を目指す。全合成を達成したアルカロイドについては、より効率的な合成ルートや網羅的な合成ルートの確立を目指す。 取得した天然物、合成化合物について腫瘍細胞に対する毒性作用を評価し抗腫瘍性化合物の取得を目指す。他の生物活性についてもあわせて評価し活性化合物を取得する。
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Research Products
(17 results)