2020 Fiscal Year Annual Research Report
Search for new p53 activating natural compounds as cancer therapeutic drugs and their functional analyses
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20H03396
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
塚本 佐知子 熊本大学, 大学院生命科学研究部附属グローバル天然物科学研究センター, 教授 (40192190)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | p53作用増強 / HTS探索 / がん治療薬 / 天然資源 / 機能解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん抑制遺伝子産物p53はがん細胞において約50%が変異しているといわれている。そこで本研究代表者は、「変異型p53を修飾し機能回復させる方法」や「変異型p53の凝集阻害に着目した方法」に関する評価系の構築を検討してきた。本研究では、変異型p53および野生型p53それぞれに対する特異的抗体を用いて、p53変異型を野生型に変換させる化合物を探索した。そして、ヒト骨肉腫細胞Saos-2(p53欠損)に変異型p53[R175H:175番目のArg(R)がHis(H)に変異]遺伝子を導入しdoxycycline依存的にp53-R175Hを過剰発現できる細胞[Saos-2(p53-R175H)細胞]を用いて、当研究室で保有する天然資源エキスをHTSスクリーニングした。その結果、ヒットサンプルの一つである植物内生菌の培養物から、変異型p53を野生型に回復させることのできる化合物を精製し、1種類の既知化合物と3種類の新規化合物を単離した。新規化合物の構造は、NMRスペクトルの解析や計算化学(13C NMR、ECDスペクトル)により絶対立体配置を含み決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新たに構築した評価系でHTSスクリーニングし、ヒットサンプルの一つである真菌の培養物から、変異型p53を野生型に回復させることのできる化合物の発見に成功した。したがって、おおむね順調に進展している、と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度は、doxycycline依存的にp53-R175Hを過剰発現できる細胞[Saos-2(p53-R175H)細胞]を用いて、真菌の培養物から変異型p53を野生型に回復させることのできる化合物を発見することができた。そこで今後は、発見した化合物の作用機構を解析するとともに、他のヒットエキスからも活性物質を探索する。また、野生型p53を有し、かつMdm2が過剰発現しているSJSA-1細胞を用いて、p53の分解を抑制させることのできる化合物を探索する。
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