2023 Fiscal Year Annual Research Report
がん化学療法抵抗性改善機能に基づく天然由来新規医薬品シーズの開拓
Project/Area Number |
20H03397
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
松本 崇宏 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (30780431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 智絵 京都薬科大学, 薬学部, 講師 (10804221)
中村 誠宏 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (20411035)
渡部 匡史 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60634326)
渡辺 徹志 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (90182930)
齊藤 洋平 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (90411032)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | がん幹細胞 / 大腸がん / Wnt シグナル / Lindera umbellata / linderapyrone / LPD-01 / importin-7 / smad |
Outline of Annual Research Achievements |
がん細胞が薬剤抵抗性を示す主な原因として,アポトーシス抑制機能を介して薬剤抵抗性に寄与する熱ショックタンパク質 (HSP) の過剰発現および薬剤抵抗性・多分化能を有するがん幹細胞 (CSC) の存在等が挙げられる.本研究では,CSC の駆逐および HSP の阻害作用を持つ,幹根治に貢献できる天然由来新規医薬品シード化合物の提案を目的としている.昨年度までに,Wnt/β-catenin 経路阻害作用を介し,大腸がん HT-29 細胞および HT-29 CSC 増殖を抑制できる新規化合物 linderapyrone ならびに HSP 発現阻害作用を持つとともに,HeLa 細胞の抗がん剤感受性を増強できる複数の天然由来低分子有機化合物を見出している. 本年度,我々が見出した新規 Wnt/β-catenin 経路阻害活性化合物 linderapyrone について,標的タンパク質の解明および見出した標的タンパク質の機能へ与える影響の評価を実施した.具体的には,linderapyrone の活性類縁体である LPD-01 を合成するとともに,LPD-01 と親和性を持つHT-29 細胞抽出タンパク質の探索・同定を行った.その結果,LPD-01 標的候補タンパク質として,過去に低分子阻害剤が報告されていない核輸送因子 importin-7を同定した.加えて,LPD-01 は,importin-7 の輸送基質である smad2 および 3 の核内輸送を阻害することを明らかとし,さらにimportin-7 のノックダウンが Wnt/β-catenin 経路の活性化を抑制することを確認した.これらの知見から,本研究で見出した新規化合物 LPD-01 は,新規標的の阻害作用を介し,Wnt/β-catenin 経路を阻害できると考えられ,新規医薬品シード化合物として有用である可能性が有る.
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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