2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20H03398
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阿部 太紀 東北大学, 医学系研究科, 助教 (40810594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新堀 哲也 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (40436134)
吉成 浩一 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (60343399)
青木 洋子 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80332500)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | RAS / KLHL12 / SEC31A / COPII / 上皮間葉転換(EMT) / AlphaFold2 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん遺伝子RASの変異は、がん組織の約30%で同定される高頻度変異であり、先天奇形症候群RASopathiesの発症要因でもある。がんを含むRAS依存性疾患において、RAS標的薬の開発は最重要課題の1つである。 本研究助成最終年度の成果は大きく分けて以下の3つである。 1つ目は、human lung adenocarcinoma cell であるA549細胞を親株として作成したLZTR1欠損細胞(A549-KO)を用いたtumor metastasisモデルを作成し、LZTR1欠損はがん細胞の肺転移を促進することを明らかにした。また、転移促進の機序として上皮間葉転換(EMT)をLZTR1が促進していること、KRASをはじめとした複数のRASサブファミリーの発現増加と下流シグナル伝達経路の活性化が起きること、を明らかにした。 2つ目は、LZTR1のRASサブファミリー以外の相互作用分子としてKLHL12をLC-MS/MSを用いて明らかにした。KLHL12は粗面小胞体からゴルジ体へのタンパク質の輸送を行うCOPIIの構成分子であるSEC31Aのユビキチン修飾反応を促進することで細胞外マトリックス(ECM)の主要成分であるコラーゲンの細胞外輸送を制御している。今回我々は、LZTR1はKLHL12によるSEC31Aのユビキチン修飾反応を抑制することを明らかにした。一方で、LZTR1欠損時にはSEC31Aのユビキチン修飾反応が促進されコラーゲンの細胞外分泌が異常に活性化されていた。実際にA549-KO細胞由来の肺転移腫瘍の周囲にはコラーゲン沈着が増加しており、がん微小環境が大きく変化することを明らかにした。 3つ目は、タンパク質構造予測モデルAlphaFold2の解析環境を整え、LZTR1野生型ならびに各種変異体とのダイマー構造、LZTR1野生型ならびに各種変異体とRASサブファミリーの複合体構造、などをin silicoで予測解析することでLZTR1とRASサブファミリーの結合に重要なアミノ酸残基を絞り込むことができた。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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