2022 Fiscal Year Annual Research Report
血液網膜関門カチオン性物質輸送に寄与する機構としてのMCT9・14の役割解明
Project/Area Number |
20H03403
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
細谷 健一 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 教授 (70301033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田渕 圭章 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 教授 (20322109)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | MCT / 血液網膜関門 / モノカルボン酸トランスポーター / カチオン性薬物 / 内側血液網膜関門 |
Outline of Annual Research Achievements |
血液網膜関門 (BRB) を介して積極的に網膜へと分布する薬物であるアマンタジンについて、MCT9・14を始めとしたMCT分子種に対する認識性を解析した。アフリカツメガエル卵母細胞発現系を用いた解析を通じ、MCT分子種はアマンタジンを輸送基質としない、もしくは認識してもアマンタジンを輸送する活性は極めて低いことが示唆された。ただし、網膜毛細血管内皮細胞を実体とする内側血液網膜関門 (inner BRB) のモデル細胞を用い、アマンタジン類似構造体を含めた薬物・化合物を用いて、inner BRBアマンタジン輸送機構の化合物認識性解明を試みた。その結果として、本輸送機構の輸送基質候補となり得る基本骨格とアミン種が明らかとなった。本成果は、BRBを促進的に透過して網膜に作用するような神経作用薬デザインの基礎となることが期待される。本研究成果の一部は英語論文として、すでに研究成果を発表している (Pharmaceuticals, 16:435 (2023))。 また、MCTについてMCT14の発現を低下させたinner BRBのモデル細胞と網膜色素上皮細胞を実体とする外側血液網膜関門 (outer BRB) のモデル細胞を構築し、各種薬物・化合物の輸送変化を解析した。その結果、BRB透過機構が明確ではない薬物・化合物について、MCT14発現低下inner/outer BRBモデル細胞において大きく輸送が変化するものは見受けられなかった。一方で、これら細胞において細胞生理学的機能恒常性が変化している可能性が予備的に見出されたことから、中間代謝能にMCT14が何らかの影響を与えていると考えられた。そこで、MCT14発現低下BRBモデル細胞を用いた代謝フラックス解析を行ったところ、inner BRBモデル細胞において酸素消費速度が低下しており、その要因としてATP産生やプロトンリークの変化によることが示唆された。従って、inner BRBにおいてMCT14は細胞機能恒常性維持に対し役割を果たしていることが明らかとなった。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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