2021 Fiscal Year Annual Research Report
天然医薬資源を基盤とした希少難病の革新的治療法の開発
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20H03408
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
原 太一 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (00392374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉崎 嘉一 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 障害モデル研究部, 主任研究員 (50393161)
宇都 拓洋 長崎国際大学, 薬学部, 准教授 (90469396)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | CMT病 / 生薬 / 変異膜タンパク質 / オートファジー / 疾患モデルマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
遺伝性の変異により変異膜タンパク質が過剰に小胞体に蓄積してしまい、重篤な疾患を発症する希少難病が数多く報告されている。申請者は、シャルコー・マリー・トゥース(CMT)病の発症と関連する変異膜タンパク質の小胞体蓄積を軽減する生薬候補の選別に成功した。本研究では、CMT病関連変異膜タンパク質の小胞体蓄積を軽減する生薬の発見に基づき、その作用機序の解明と動物個体における薬効を検討する。また、同様の機序で発症する希少難病への応用展開を目指す。 以下、本年度の研究実績を示す。 1.変異膜タンパク質の小胞体蓄積を原因とする疾患モデルマウスの作製 CRISPR-Cas法のゲノム編集技術を用いて新規のCMT病関連変異を有するCMT病モデルマウスおよび希少神経難病の発症原因となる変異を有する神経変性疾患モデルマウスの作製を完了した。疾患関連変異を有するノックインマウスの表現型解析(行動学的および病理学的解析)のために交配を進めている。 2.変異膜タンパク質の小胞体蓄積を緩和する活性成分の単離同定 CMT病モデル細胞において変異PMP22の小胞体蓄積を緩和する生薬候補の選抜に成功し、各溶媒の液層分離による分画やHPLCを用いて生薬中の活性成分の分析を進めた。また、変異PMP22のフォールディングを促進する化合物の同定に成功した。さらに、細胞内異常タンパク質の除去システムに作用する生薬および漢方、その他天然化合物のスクリーニングを開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.疾患モデルマウスの作製に成功し、解析のための大規模交配が順調に進んでいるため。 2.変異膜タンパク質のフォールディングや細胞内異常タンパク質の除去システムに作用するシーズを同定し、その作用機構の解析を開始しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
1.作製した疾患モデルマウスの表現型解析(行動学的手法および病理学的手法、生化学的手法)を行う。 2.変異PMP22の小胞体蓄積を削減する生薬・漢方の標的シグナルや分子の探索を行う。 3.変異PMP22のフォールディングを促進するシーズの作用機構を解析する。 4.細胞内異常タンパク質の除去システムに作用する生薬・漢方、天然化合物の作用機構を明らかにする。
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