2022 Fiscal Year Annual Research Report
天然医薬資源を基盤とした希少難病の革新的治療法の開発
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20H03408
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
原 太一 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (00392374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉崎 嘉一 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 障害モデル研究部, 主任研究員 (50393161)
宇都 拓洋 長崎国際大学, 薬学部, 准教授 (90469396)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | CMT病 / 生薬 / 変異膜タンパク質 / 疾患モデルマウス / オートファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
遺伝性の変異により変異膜タンパク質が過剰に小胞体に蓄積してしまい、重篤な疾患を発症する希少難病が数多く報告されている。申請者は、シャルコー・マ リー・トゥース(CMT)病の発症と関連する変異膜タンパク質の小胞体蓄積を軽減する生薬候補の選別に成功した。本研究では、CMT病関連変異膜タンパク質の小 胞体蓄積を軽減する生薬の発見に基づき、その作用機序の解明と動物個体における薬効を検討する。また、同様の機序で発症する希少難病への応用展開を目指す。 以下、本年度の研究実績を示す。 1.変異膜タンパク質の小胞体蓄積を原因とする疾患モデルマウスの作製 CRISPR-Cas法のゲノム編集技術を用いて新規のCMT病関連変異を有するCMT病モデルマウスおよび希少神経難病の発症原因となる変異を有する神経変性疾患モデル マウスの作製し、病態解析を行った。新規CMT病モデルマウスに関しては変異アレルのホモ個体が出生までに高致死率を示すことが明らかになった。同様の表現型が遺伝子欠損マウスにおいても認められることから、同定したCMT関連遺伝子の変異の病態発症の原因は当該遺伝子の機能損失による可能性が示唆された。神経変性疾患モデルは網羅的行動解析にいくつかの異常を認めた。現在、病理解析と老化マウスにおける行動解析、病理解析の準備を進めている。 2.変異膜タンパク質の小胞体蓄積を緩和する活性成分の単離同定 CMT病モデル細胞において変異PMP22の小胞体蓄積を緩和する生薬候補の選抜に成功し、各溶媒の液層分離による分画やHPLCを用いて生薬中の活性成分の分析により関与成分を同定した。本研究成果については現在論文投稿準備中である。また、選別した生薬の作用機序の解析を進めている。変異PMP22のフォールディングを促進する化合物の解析については、候補化合物を同定し、現在論文発表の準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.疾患モデルマウスの表現型を明らかにし、病態解析が順調に進んでいるため。 2.変異膜タンパク質のフォールディングや細胞内異常タンパク質の除去システムに作用するシーズを同定し、その作用機構の解析が順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
1.作製した疾患モデルマウスの病態解析(主に病理学的手法および生化学的手法)を行う。 2.変異PMP22の小胞体蓄積を削減する生薬・漢方の作用機序を解析する。 3.変異PMP22のフォールディングを促進する食品成分の機能解析を実施する。 4.細胞内異常タンパク質の除去システムに作用する生薬、漢方、食品成分の探索と作用機序の解析を実施する。
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Research Products
(8 results)