2020 Fiscal Year Annual Research Report
新規蛍光偏光イメージング法の確立と細胞生物学的応用
Project/Area Number |
20H03412
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
寺田 純雄 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (00262022)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川岸 将彦 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (60323606)
齊藤 健太 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (60374659)
佐藤 啓介 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (60644044)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 細胞学 / 蛍光偏光 / 顕微分光法 |
Outline of Annual Research Achievements |
蛍光偏光顕微鏡観察のためのプローブであるPOLArISプローブ(蛍光分子と非標識分子の立体的相互関係を固く維持した状態で両者を結合させる方法)の汎用化基盤の確立のために、人工抗体様小分子種の拡張と多色化実験を行い、開発に成功した。所見を更に発展させ、細胞内での測定に適した改変について予備的な所見を蓄積している。開発に成功した人工抗体様小分子法による新規プローブの多色化、応用範囲を拡大する改変等に関する所見を投稿準備中である。作成に成功したPOLArISプローブの一部について、クライオ電顕による蛍光タンパク質発光双極子の配置検証を行っている。アクチンを標的とするプローブを応用して、ヒトデの卵母細胞におけるアクチンの動態について蓄積したデータについては、その成果が米国アカデミー紀要に掲載受理された。プレスリリースとなり、各種の反響を得ている。また、POLArIS法により標識された生体分子の細胞内蛍光偏光イメージング技術の確立のために、COVID-19の影響により、納品遅延等で予定より遅れたが、スピニングディスク共焦点蛍光偏光顕微鏡の改変・最適化を行った。顕微鏡側のセットアップ・性能検証はほぼ終了し、更なる観測条件改善のためにプローブ側の改良を進めている。また、詳細な性能検証の議論から、もう一つの顕微鏡開発計画として予定していたField synthesis蛍光偏光顕微鏡のセットアップは、ライトシート蛍光偏光顕微鏡構築に計画を変更し、設計・構築を開始した。COVID-19の影響による一部の機材納入の遅延のため、計画遂行を翌年度に延期しつつ対応している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新たに開発した蛍光偏光観察法POLArIS法を利用した最初の成果について、海外有力誌に論文が掲載され、反響を得ている。開発に成功したスクリーニング系のプラットフォームの拡大については、順調に所見を蓄積しつつあり、現在その成果の発表準備中である。プローブの改良、新規開発は継続しており、予備的な所見として成果が出つつある。細胞の深部のアンサンブルの蛍光偏光信号を取得するための共焦点顕微鏡のセットアップ改変も継続中であり、これにプローブ側の改良を併用することで更なる成果が期待できる。慎重に検討した結果、Field synthesis蛍光偏光顕微鏡のセットアップは、ライトシート蛍光偏光顕微鏡構築に計画を変更した。一部機材納入の遅れの影響もあるが、計画遂行を翌年に延期しつつ対応している。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、プローブの検討、開発を続行する。細胞の深部のアンサンブルの蛍光偏光信号を取得するための新規顕微鏡セットアップ構築に加え、これに適したプローブ側の改変も開始する。並行して各種細胞骨格動態追跡実験を実施する。
|
-
-
[Journal Article] POLArIS, a versatile probe for molecular orientation, revealed actin filaments associated with microtubule asters in early embryos2021
Author(s)
Ayana Sugizaki, Keisuke Sato, Kazuyoshi Chiba, Kenta Saito, Masahiko Kawagishi, Yuri Tomabechi, Shalin B Mehta, Hirokazu Ishii, Naoki Sakai, Mikako Shirouzu, Tomomi Tani, Sumio Terada.
-
Journal Title
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America
Volume: 118 (11)
Pages: e2019071118
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-