2020 Fiscal Year Annual Research Report
Roles of oxytocin in the control of active coping behaviors
Project/Area Number |
20H03419
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
尾仲 達史 自治医科大学, 医学部, 教授 (90177254)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | オキシトシン / 社会的ストレス / 積極的対処行動 / 視床下部腹内側部 |
Outline of Annual Research Achievements |
社会的ストレスが加わったとき、その状況に応じて適切に対処することは重要である。例えば、攻撃的な優位個体と目の前で遭遇した場合、敗北(服従)姿勢を優位個体に示す、といった積極的なストレス対処行動を選択することは適応的である。しかし、この積極的対処行動を示すための神経機構は分っていない。本研究では、積極的な社会的対処行動をオキシトシン-オキシトシン受容体系が担っているという仮説を検証することを目的とした。2020年度は視床下部腹内側部のオキシトシン受容体の役割について検討した。人工受容体を視床下部腹内側部の腹外側領域のオキシトシン受容体発現ニューロンに選択的に発現させた。人工受容体アゴニストを投与すると、Fos蛋白質を発現する細胞の数が増加し局所のニューロンが活性化することが確かめられた。視床下部腹内側部のオキシトシン受容体発現細胞を活性化すると、敗北姿勢を示す時間が延長した。さらに、コンディショナルノックアウトマウスを用いて、視床下部腹内側部の腹外側領域のオキシトシン受容体を選択的に欠損させた。視床下部腹内側部のオキシトシン受容体の局所ノックアウトは、標識したオキシトシン受容体アゴニストの結合実験で結合が大きく減少することで確認した。視床下部腹内側部のオキシトシン受容体をノックアウトすると、優位個体に対する敗北姿勢を示す時間が短縮した。これらのデータは、視床下部腹内側部のオキシトシン受容体とその発現ニューロンは優位個体に対する敗北姿勢を促進させていることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
人工受容体の発現実験、コンディショナルノックアウトマウスを用いた実験が計画通りに進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、視床下部腹内側部以外のオキシトシン受容体の社会的ストレス対処行動における働きについて検討を進める。
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Research Products
(2 results)