2021 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanistic insights into spatio-temporal regulation of RNA in cardio-metabolic disease
Project/Area Number |
20H03426
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
久場 敬司 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (10451915)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | RNA分解 / 翻訳 / ユビキチン修飾 / CCR4-NOT / 心不全 / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題達成のために令和3年度は下記の検討を行った。 1)肥満・脂肪肝の病態におけるRNA制御の分子機構の解析:CNOT4を介した脂肪細胞分化における役割をマウス胎児線維芽細胞(MEF)の分化実験系で検討したところ、Cnot4欠損により脂肪細胞への分化が抑制され、脂肪前駆細胞への分化の段階で重要であることが分かった。RNA制御を介した転写調節のメカニズムが示唆された。また、Cnot4欠損の脂肪組織でTNFなど炎症性サイトカインの発現が抑制されていたことから、MEFのTLRs刺激実験を行ったところTLRs活性化によるサイトカイン応答が抑制されていた。また、Cnot4欠損細胞の解析から、予想外の免疫・炎症応答の変化や核内RNAの変化が見られたことから、インフルエンザなどのウイルス感染によるCnot4の役割、意義の検証が急務であることが判明した。 2)poly(A)分解因子CNOT6Lの抗線維化作用の解析:成体マウス心臓からコラゲナーゼ還流により心筋細胞、心臓線維芽細胞を単離し、CNOT6Lの標的遺伝子の制御機構を解析した。その結果、CNOT6Lは心臓線維芽細胞において重要であることが分かり、細胞間の相互作用を介して線維芽細胞におけるFsfの発現を脱アデニル化を介して抑制することが分かった。さらに、CNOT6Lの解析を通じて、CCR4-NOTが加齢に関連する動脈硬化の病態に関わることが示唆されたことから、ApoE欠損とウェスタンダイエットによる動脈硬化モデルでの検討を開始した。 3)心不全病態におけるRNAを介したエネルギー制御機構の解析:Cnot1ヘテロ欠損細胞から単離したミトコンドリアのcytochrome c oxidase活性測定を測定したところ、Cnot1欠損による変化を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
循環代謝病におけるRNA時空間制御機構の解明に向けて成果を上げつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
poly(A)分解因子CNOT6Lの抗線維化作用について、心不全マウスの心臓線維芽細胞におけるRNA分解制御と転写制御の分子機構の解析を継続する。とりわけCNOT6LがRNAを認識するために必要なRNA結合蛋白の解析に焦点を当てて進める。また、心不全病態におけるCCR4-NOTを介した心筋線維RNA制御、ATPレベル制御の分子機構を解明するために、心筋サルコメアそのもののRNA制御機構を明らかにするためにin vitroのアッセイ系で検討を行う。また、単離ミトコンドリアを用いたエネルギー代謝動態の変動を細胞外代謝フラックスで解析する。CNOT4によるRNA制御において、成熟脂肪細胞のみならず未分化な脂肪細胞前駆細胞が重要であることが分かってきたので、この前駆細胞に焦点を当てて継続して解析を進める。また、今回見出したCNOT4による免疫・炎症応答の制御や核内RNAの制御の分子メカニズムを解明するための検討を進める。CNOT4には、CCR4-NOTと独立な機能と関連した2つの機能があることが考えられ、CNOT4変異体を用いて解析を進める。さらに、CNOT4による代謝制御とウイルス感染応答におけるクロストーク制御の新たな知見を得たことから、インフルエンザウイルス感染におけるCNOT4の役割解明の検討を進める。
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[Journal Article] ACE2-like carboxypeptidase B38-CAP protects from SARS-CoV-2-induced lung injury2021
Author(s)
Yamaguchi T, Hoshizaki M, Minato T, Nirasawa S, Asaka MN, Niiyama M, Imai M, Uda A, Chan JF, Takahashi S, An J, Saku A, Nukiwa R, Utsumi D, Kiso M, Yasuhara A, Poon VK, Chan CC, Fujino Y, Motoyama S, Nagata S, Penninger JM, Kamada H, Yuen KY, Kamitani W, Maeda K, Kawaoka Y, Yasutomi Y, Imai Y, Kuba Keiji
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 12
Pages: 6791
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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