2022 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタグランジン受容体を標的とした構造に基づく創薬
Project/Area Number |
20H03434
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森本 和志 九州大学, 薬学研究院, 助教 (10826548)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広川 貴次 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20357867)
細谷 孝充 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (60273124)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | プロスタグランジン / GPCR / 立体構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
主に5種類存在するプロスタグランジン(PG)類のうち、PGE2にはシグナル伝達の異なる4種類の受容体(EP1、EP2、EP3、EP4)が存在し、最も多様な生理作用を担っている。このうちのEP3受容体は、発熱や胃酸分泌抑制、子宮収縮に関わる受容体であり、PGE1誘導体は胃潰瘍の予防や産後出血の治療に用いられる。さらに最近では、EP3/FPデュアル作動薬が新たな緑内障治療薬の候補として注目されている。研究代表者らはこれまで、X線結晶構造解析によりPGE2を結合した活性型様EP3受容体の立体構造を決定してきた。しかしながら、一般的にGタンパク質共役型受容体(GPCR)はGタンパク質の結合により大きく構造が変化することから、Gタンパク質と結合した、完全な活性型の複合体構造の解明が必要とされていた。そこで本年度は、クライオ電子顕微鏡単粒子解析を用いた立体構造解析に取り組み、EP3受容体-Giタンパク質複合体の構造決定に成功した。本構造と変異体実験によって明らかとなった点を以下に示す。 1) 結晶構造に比べ、Gタンパク質が結合することで、細胞内第2ループ(ICL2)および膜貫通(TM)5とTM6の細胞内側先端が外側へと少し変位していた。 2) Gタンパク質のC末端は通常、TM6側へとフックした構造を取り、GPCRに結合するが、Gsに共役するEP2およびEP4の場合は逆側のTM1およびヘリックス8側へと伸びた構造を取ることが知られていた。一方、EP3-Giの場合は、多くのGPCR同様、TM6側へとフックした構造を取っていた。 3) Gタンパク質の認識に関わる残基としてY165、R259、W273、E279、Q283を同定した。 4) R259がGiとGsの選択性に関わる可能性が考えられた。 以上の結果より、EP3受容体とEP2/EP4受容体の活性化様式の違いが鮮明となり、EP受容体を標的とした創薬研究がより一層推進されることが期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究はPG受容体の構造解析および構造情報を基づく化合物開発を目的としている。本年度は活性型EP3受容体の構造解析に成功し、発表を行っており、順調に進展していると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続きPG受容体の構造解析に取り組んでいきたいと考える。またリガンド開発研究にも取り組む。
|