2021 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜損傷を引き金とする細胞老化の分子基盤と生体内における意義の解明
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20H03440
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Research Institution | Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University |
Principal Investigator |
河野 恵子 沖縄科学技術大学院大学, 膜生物学ユニット, 准教授 (30632723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 陽介 沖縄科学技術大学院大学, サイエンステクノロジーグループ, サイエンス・テクノロジーアソシエイト (00452532)
杉山 伸樹 沖縄科学技術大学院大学, 膜生物学ユニット, ポストドクトラルスカラー (70868687)
RAZALI Nurhanani・Binti 沖縄科学技術大学院大学, 膜生物学ユニット, ポストドクトラルスカラー (70902667)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 細胞膜損傷 / 細胞老化 / 老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 細胞膜の微小な傷はどのように修復されるか 前年度に見出された、出芽酵母における新規細胞膜修復の分子機構についてさらなる検討を行った結果、クラスリン依存的エンドサイトーシスにより、脂質フリッパーゼが細胞膜の傷に輸送されること、またこの制御が主たる修復タンパク質の一つであるエクソシスト(Exo70)の傷への局在に必須であることを見出し、査読のある国際誌に報告した(Yamazaki and Kono, BBRC, 2021)。 2. 細胞膜損傷はいかにして細胞老化を誘導するか 前年度に行った細胞膜損傷による老化家庭におけるRNA seqの結果をDNA損傷による細胞老化、カルシウム流入を起点とする細胞老化、複製老化と比較した結果、mRNA、非コードRNAとも細胞膜損傷を起点とする細胞老化に特異的なパターンが存在することが解明されたので、国際学会で報告し、現在論文を二報準備している。さらに質量解析も行い、RNA seqの結果と合わせてバイオインフォマティクス解析を行った結果、細胞膜損傷を起点とする老化細胞が、生体内において周辺の細胞の創傷治癒を亢進させうる遺伝子発現パターンを示すことが明らかになったほか、細胞老化のユニバーサルな制御因子の候補が同定された。 3. 細胞膜損傷による細胞老化の個体レベルでの生理的意義は何か 老化マウス個体を用いて細胞膜損傷による細胞老化の生体内における意義を解明するために、2で見出した「細胞膜損傷による老化細胞マーカータンパク質」の抗体を購入し、染色条件の最適化を行った。老化マウスでは多くの組織において自家蛍光が高いが、アンミキシング法を用いることにより蛍光抗体染色した目的のタンパク質が観察可能となることが見出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
予定していた研究計画が順調に進んでいるほか、当初の計画にはなかった「あらゆるタイプの細胞老化機構をユニバーサルに促進する因子」の候補が同定されたたため、当初の計画以上に進展していると考えている。もしこの候補が真の「新規ユニバーサル老化制御因子」であれば極めて重要性の高い発見なので、現在、綿密な解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
申請書にて提案した研究計画の通り順調に研究が進行しているのみならず、申請時点では予想されなかった新規メカニズムの存在が示唆されている。計画通りの部分については論文投稿を進めるとともに、予想外の発見については厳密に検証を進めながら、挑戦的な実験も平行して進める。
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Research Products
(9 results)