2022 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜損傷を引き金とする細胞老化の分子基盤と生体内における意義の解明
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20H03440
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Research Institution | Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University |
Principal Investigator |
河野 恵子 沖縄科学技術大学院大学, 膜生物学ユニット, 准教授 (30632723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 陽介 沖縄科学技術大学院大学, サイエンステクノロジーグループ, サイエンス・テクノロジーアソシエイト (00452532)
杉山 伸樹 沖縄科学技術大学院大学, 膜生物学ユニット, ポストドクトラルスカラー (70868687)
RAZALI Nurhanani・Binti 沖縄科学技術大学院大学, 膜生物学ユニット, ポストドクトラルスカラー (70902667)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 細胞膜損傷 / 細胞老化 / 老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞膜の損傷を修復する機構は筋ジストロフィー症など様々な疾病に関与するが、メカニズムや生体内における機能の理解は遅れている。申請者は出芽酵母とヒト培養細胞を用いて細胞膜の傷の修復にはプロテアソームによるタンパク質分解や細胞周期チェックポイントが寄与すること、また細胞膜損傷により細胞老化が誘導されることなどを世界に先駆けて明らかにしている。本研究提案では、出芽酵母とヒト培養細胞を用いて細胞膜損傷を修復する機構とその後の老化誘導機構の鍵を握るしくみを明らかにするとともに、マウスを用いて細胞膜損傷を引き金とする細胞老化の意義を解明することを目指している。昨年度までに、ヒト正常線維芽細胞を用いて、細胞膜損傷による細胞老化の過程を経時的に解析し、mRNA、miRNA、タンパク質発現の時間変化の全貌を解明した。さらにそれをDNA損傷やテロメア短縮を引き金とする老化細胞と比較した結果、細胞膜損傷による細胞老化に特異的に発現するRNAとタンパク質の発現バターンが同定された。また全ての老化サブタイプに共通して発現するRNAとタンパク質についても同定された。これらのマーカーをin vitro(ヒト正常培養細胞)とin vivo(マウス)で評価し、特異性の高い細胞老化マーカーの新たな組み合わせの候補を見出した。さらにこれらの因子を介した細胞老化の制御メカニズムを解明するとともに、細胞膜損傷を起点とする細胞老化の生理的・病理的意義を解明すべく研究を進めている。これまでに、いくつかの臓器において細胞膜損傷による老化細胞の存在を示唆する結果を得ており、研究計画は順調に進んでいる。また、申請書作成時点では予期していなかった発見(細胞膜損傷を起点とする細胞老化だけでなく、細胞死も生体内で重要な意義を持つ可能性)が得られたので、この可能性についてもさらに検討を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上記のように細胞膜損傷による老化細胞の分子機構と意義を解明する研究計画が予定通り進行していることに加え、申請書作成時点では予想していなかったいくつかの発見があった。具体的には、バイオインフォマティクスを用いた解析により細胞膜損傷による老化細胞の生体内における意義がいくつか予想されたこと、さらに老化だけでなく細胞膜損傷を起点とする他の細胞運命(細胞死など)も生体内で重要な意義を持ちうること(特に特定の病態に寄与すること)が見いだされたため、当初の計画以上に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のように研究計画が予定通り進んでいる部分に関しては計画通り研究を進める。加えて、申請書作成時点では予想していなかった結果に関しても解析を行う。
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Research Products
(12 results)