2020 Fiscal Year Annual Research Report
Study on heterochromatin formation at the genomic loci for immune evasion and sexual development
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20H03477
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩永 史朗 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (20314510)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マラリア / ヘテロクロマチン |
Outline of Annual Research Achievements |
マラリア原虫は赤血球表面抗原をコードする多重遺伝子族を持ち、その発現を制御することで免疫を回避する。これらの多重遺伝子族はヘテロクロマチン化し、エピジェネティックに発現が抑制されている。一方、申請者は研究の過程で偶然に転写因子であるAP2-HCが全ての多重遺伝子族を標的遺伝子とすることを見出した。更に驚くことに性分化を誘導する転写因子AP2-Gも標的遺伝子であることを発見した。AP2-Gは多重遺伝子族と同様にヘテロクロマチンによるエピジェネティックな発現抑制を受けていることから、この発見は多重遺伝子族の発現制御と性分化の制御に共通の分子基盤があるということを強く示唆した。本研究ではAP2-HCのシス配列や相互作用分子を同定し、如何にして特異的なヘテロクロマチンが形成されるか明らかとすることを目的とする。本年度はAP2-HCのヘテロクロマチン形成への影響を検討するために、AP2-HC遺伝子破壊原虫を作製し、ヘテロクロマチンのマーカーであるH3K9-me3の分布状況を調べた。その結果、意外なことにAP2-HCの欠損はH3K9-me3の分布には全く影響を与えないことが明らかとなった。さらに遺伝子破壊原虫のRNA-seq解析から、遺伝子発現も全く影響を受けないことが示された。加えて生殖母体形成にも影響がなかったことから、AP2-HCの破壊はAP2-Gの遺伝子発現にも影響しないことがしめされた。以上の結果よりAP2-HCは予想外にもヘテロクロマチン形成に関与するのではなく、全く別の機能を持つことが強く示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AP2-HCの遺伝子破壊原虫を作製し、AP2-HCが予想外の機能を持つことを示唆した。この結果は予想外のヘテロクロマチンの機能解明の手がかりとなる可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り、作製したAP2-HC欠損原虫を用い、欠損が他のヘテロクロマチン因子の局在や機能にどのように影響を与えるかを調べる。
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