2022 Fiscal Year Annual Research Report
マダニ体内におけるSFTSウイルスの感染動態の解明
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20H03479
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
高野 愛 山口大学, 共同獣医学部, 准教授 (90700055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下田 宙 山口大学, 共同獣医学部, 准教授 (40719887)
松村 隆之 国立感染症研究所, 治療薬・ワクチン開発研究センター, 室長 (50434379)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マダニ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、致死的なマダニ媒介性の感染症である重症熱性血小板減少症候群ウイルスのマダニ体内での感染動態の解明と、哺乳類宿主への伝播時間を明らかにするものである。 1,重症熱性血小板減少症候群ウイルスのマダニ体内での感染動態を解明 未吸血若ダニにウイルスをマイクロインジェクションにて接種し、経時的に観察している。昨年度までの結果から、臓器ごとに検出されるRNA数に違いが見られたことから、本年度はウイルス感染細胞を蛍光染色にて可視化し、共焦点顕微鏡で観察を行った。その結果、接種後経時間的に陽性細胞が増え、接種後2週から3週程度で陽性細胞が充分数増えることがわかった。臓器間の差もRNA同様の傾向が見られたことから、人工感染モデルではウイルス感染細胞でタンパクが十分発現し、陽性細胞が増えてくるのは2-3週間程度必要であること、ウイルスタンパク陽性細胞は臓器に偏りがあることが判明した。本内容の一部は獣医学会にて発表を行った。 2,陽性マダニを用いたマウスへの感染実験 本年度より、人工感染マダニをマウスに吸血させ、経時的に取り除くことで、伝播までの時間を検証中である。実験は2回行っており、2回の結果はほぼ同様の結果となった。マダニを取り除いた後、4週間程度で血清を回収し、現在、詳細を解析中である。マダニ側の解析では、吸血開始後にマダニ組織中のウイルスタンパク陽性細胞が一気に増加し、各臓器に広がっていく様子が観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね当初の予定通り順調に進んでいる
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、人工感染マダニを一度吸血させ、脱皮した個体の観察と、脱皮後の成ダニでの吸血時の動態を検証する予定である。
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