2022 Fiscal Year Annual Research Report
グルタミンによるT細胞シグナル伝達と分化の統合的制御機構の解明
Project/Area Number |
20H03504
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
山下 政克 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (00311605)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | T細胞 / グルタミン / ヒストンH3K27 / 脱メチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
T細胞活性化初期(活性化 0~48時間)の細胞外グルタミンが、T細胞抗原受容体(TCR)シグナルやIサイトカイン受容体を介したシグナルの持続的な活性化に必要であることを明らかにした。低濃度グルタミン下で活性化したT細胞では、キナーゼシグナルの活性化が持続せず、特にmTORCシグナルが強く影響を受けることがわかった。つまり、細胞外グルタミンは、T細胞の活性化と機能獲得(分化)に必須のアミノ酸であることが示された。 Th2細胞 in vitro分化系を用いた検討から、Th2細胞は、TCR刺激とIL-2やIL-4が十分にある状況でも、活性化初期にグルタミンが不足した場合には、特にIL-5/IL-13産生には分化しないことが分かり、グルタミンが分化誘導因子として機能していることが示された。さらに、活性化初期のグルタミン不足はインプリンティングされ、その後グルタミン濃度が回復したとしても、表現型は回復しないことがわかった。また、低グルタミン培養条件下で活性化したTh2細胞は、ヒストンH3K27me2/3レベルがコントロール条件の細胞に比べ高いことが確認された。そこで、ヒストンH3K27me2/3脱メチル化酵素、Utx、Jmjd3の欠損T細胞を用いて、Th2細胞の文化について検討したところ、これら酵素の欠損CD4 T細胞でも同様な分化抑制が確認されたことから、この現象には、ヒストンH3K27の脱メチル化が関与している可能性が考えられた。以上のことから、T細胞活性化に伴う細胞外からのグルタミン流入は、シグナルの持続だけでなく、T細胞サブセット分化に必要なエピジェネティック変化誘導にも必要であることが予想された。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)