2022 Fiscal Year Annual Research Report
Envolvement of abnormal of SETDB-related histone modification enzyme and tumor immune environment in gastrointestinal cancer
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20H03526
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
秋山 好光 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (80262187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新部 彩乃 (樺嶋彩乃) 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (20445448)
島田 周 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (20609705)
田中 真二 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30253420)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / ヒストン修飾 / 消化器癌 / 腫瘍免疫環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
SETDB1とSETDB2はヒストンH3の9番目のリジンに対するヒストンメチル基転移酵素である。これら2つは多くの悪性腫瘍で発現亢進し、癌の悪性度や予後に関連するが、有効な治療法は未だに確立されていない。ヒストン修飾因子は様々な因子と複合体を形成して遺伝子発現制御に働くが、SETDB型ヒストン修飾酵素の複合体は不明な点が多い。現在、SETDB1とSETDB2はT細胞やマクロファージでも発現変化が報告され、炎症・免疫環境との関連も示唆されている。本研究では消化器癌におけるSETDB型ヒストン修飾酵素の発現異常や標的遺伝子、複合体形成および腫瘍免疫環境への関与を検討した。胃癌組織と肝癌組織でのSETDB1発現亢進は共に40%以上で認められ、予後との相関が検出された。SETDB2高発現は胃癌組織で40%だった。レンチウイルス実験系によるSETDB1とSETDB2の安定発現胃癌細胞株を樹立して機能解析を進めた。またマウス胃細胞でSetdb1を高発現すると造腫瘍性増強だけでなく、同系統マウス皮下移植でも増殖可能であり免疫回避の可能性が示唆された。マウスSetdb1結合タンパク質の網羅的質量分析ではRNA修飾因子や他のヒストン修飾因子など癌促進に機能する複数のタンパク質との結合が示唆された。一方、調べた肝癌細胞株の多くはSETDB1が高発現していたので、ノックダウン系実験を行った。SETDB1をノックダウンすると細胞増殖や浸潤能が低下し、RNA-seq解析では複数の癌関連下流遺伝子や免疫関連遺伝子が変化した。さらに内在性レトロウイルスの発現亢進も検出され、詳細な解析を進めている。SETDB1は既報同様にATF7IPとタンパク質間で結合し、ヒト肝癌組織ではこれらの共高発現例は予後が悪いことがわかった。以上、SETDB型タンパク質高発現癌の性質や癌促進に働く分子メカニズムを明らかにした。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)