2020 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of predicting the effects of immune checkpoint inhibitors based on the diversity of cancer-associated fibroblasts
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20H03528
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
安藤 雄一 名古屋大学, 医学部附属病院, 教授 (10360083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎本 篤 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (20432255)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | がん関連繊維芽細胞 / 腫瘍免疫応答 / 免疫チェックポイント阻害薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、(1)肺がん以外の悪性腫瘍においてICI奏効率とMeflin陽性CAFの関連を明らかにすること、(2)Meflin陽性CAFがICI奏効率を制御する分子メカニズムをマウス実験系とヒト病理検体を用いて明らかにすることを目的とする。 【目的1】 ICIの適応となる各種がん症例について、手術検体を用いてMeflin発現をin situ hybridization(ISH)で検証を行ったところ、肺がんと同様にMeflin高発現群の方がICIへの反応性が高いことを確認した。乳癌細胞株EO771、膀胱癌細胞株MB49を野生型及びMeflin欠損マウス皮下に移植し、ICIに対する反応性を定量的に評価したところ、これもMeflin欠損マウスでICIの効果の減弱していることを確認した。当初計画した腎癌細胞株を用いた実験は細胞株が入手できなかったため中止した。 【目的2】 非小細胞肺癌の病理組織標本のうち、Meflin発現の検証が終了している手術症例に関してTILプロファイルの詳細な解析を行った。各種リンパ球マーカーの多重蛍光免疫組織化学に7色同時染色キットとVectra 3.0システムを用いて染色・解析した。Meflin発現の高低で、CD8陽性エフェクターT細胞やCD4陽性FoxP3陽性制御性T細胞の数・割合に有意な差はなかった。一方、Meflin高発現群において、制御性T細胞を除したCD4陽性T細胞の数・割合が有意に大きくなることが判明した。野生型およびMeflin欠損マウスの皮下移植腫瘍モデルにおいても同様のTIL解析を免疫組織化学およびフローサイトメトリーで行い、同様にCD8陽性エフェクターT細胞やCD4陽性FoxP3陽性制御性T細胞の割合に差がないことを確認した。しかし、制御性T細胞を除したCD4陽性T細胞の割合も同方向の傾向はあるものの有意な違いを確認できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の研究成果は以下の通りである。 【目的1】ICIの奏効率とMeflin陽性がん関連線維芽細胞(CAF)との関連の検証 ICIの適応となる各種がん症例について、生検あるいは手術検体を使用してMeflinの発現をin situ hybridization (ISH)で検証を行った。トリプルネガティブ乳がん細胞株、膀胱がん細胞株を野生型マウスおよびMeflin欠損マウスの皮下に移植し、ICIに対する反応性を定量的な評価を行った。採取された腫瘍組織の組織型(HE染色)、浸潤している腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のプロファイルの詳細は研究分担者らの協力のもとで検証した。当初計画した腎がん細胞株を用いた実験は、細胞株が入手できなかったため中止した。 【目的2】Meflin陽性CAFがICI奏効率を制御する分子機序の解明 非小細胞肺がんの病理組織標本のうち、Meflin発現の検証が終了している症例に関してTILプロファイルの詳細な解析を行った。各種リンパ球マーカーの多重蛍光免疫組織化学を7色同時染色キット(Opal)とVectra 3.0システムを用いた。Meflin陽性CAFの多寡と、各種免疫細胞、特にCD8陽性エフェクターT細胞およびCD4陽性FoxP3陽性制御性T細胞の数・割合・位置などとの関連を検討中である。野生型およびMeflin欠損マウスの皮下移植腫瘍モデルにおいても同様のTIL解析を免疫組織化学およびフローサイトメトリーで行った。腫瘍進展と腫瘍に浸潤するTILプロファイルの定量的解析を上記と同様に行った。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、前述した目的を達成するために以下の研究について実施計画している。 【目的1】免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の奏効率とMeflin陽性がん関連線維芽細胞(CAF)との関連の検証 ICIの適応となる各種がん症例について、生検あるいは手術検体を使用してMeflinの発現をin situ hybridization (ISH)で検証する。トリプルネガティブ乳がん細胞株、膀胱がん細胞株を野生型マウスおよびMeflin欠損マウスの皮下に移植し、ICIに対する反応性を定量的に評価する。採取された腫瘍組織の組織型(HE染色)、浸潤している腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のプロファイルの詳細は研究分担者らの協力のもと検証する。 【目的2】Meflin陽性CAFがICI奏効率を制御する分子機序の解明 作出に成功したC3 floxedアリルを持つマウスとMeflin‐Creマウスとを交配し、MC38細胞株の移植とPD‐1抗体による治療実験を行う。また、なお膀胱癌細胞株(MB49)の皮下移植モデルにおいて、マクロファージを含むミエロイド系細胞のマーカーを免疫組織化学的手法によって評価し、野生型およびMeflin欠損マウスでの差を検証する。
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Research Products
(1 results)