2022 Fiscal Year Annual Research Report
抗真菌薬を基盤とした胆道・膵臓がんに対する新規治療薬の創製
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20H03533
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
齋藤 義正 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 教授 (90360114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大江 知之 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 准教授 (30624283)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 胆道・膵臓がん / 抗真菌薬 / オルガノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らは、これまでに難治性がんの代表である胆道・膵臓がん患者由来の組織を用いて、オルガノイド培養技術により生体内の特性を保持したまま培養することに成功し、さらに既存薬ライブラリーによるスクリーニング系を確立した。興味深いことに、ヒット化合物の中に複数の抗真菌薬が含まれており、これらの薬剤が、胆道・膵臓がんに対する安全かつ有効な抗腫瘍薬となる可能性が期待されている。本研究では、抗真菌薬をリード化合物として構造展開を行うことで、胆道・膵臓がん細胞の増殖をより強力に抑制する画期的な低分子医薬品の開発を試みた。 フェンチコナゾールなどのアゾール系抗真菌薬の構造を基盤に、50化合物を超える新規誘導体を設計し合成した。オルガノイドを用いた活性評価と同時に、物性およびADME特性も評価したところ、フェンチコナゾールと同程度の増殖抑制活性を有し、代謝安定性、水溶性およびCYP阻害を改善した有力な化合物を見出すことができた。 また、肝臓に特異的に発現しているトランスポーターの基質に結合し肝臓・胆道への移行性を向上させることを目的に、上述の化合物にカルボキシ基を導入したプロドラッグの創製に着手し、現在までに4化合物の合成に成功した。ヒトおよびマウス肝S9における代謝評価より、エステル型では部分構造が切れて親化合物を十分に放出した一方、アミド型では部分構造が切れず親化合物は放出されなかった。水溶性試験では、全てのプロドラッグは親化合物に比べて水溶性が10倍程度増大し、カルボキシ基を含む部分構造を結合させることで水溶性の向上につながることが分かった。今後、ヒト初代肝細胞を用いて肝細胞への化合物の取り込み量を定量・評価することでこれらの化合物がトランスポーターの基質となるかどうか、またin vivoでの薬物動態試験を行い、肝臓や胆道に選択的に移行するかどうかを調べる必要がある。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)