2022 Fiscal Year Annual Research Report
Realtime manipulation of hippocampal spike sequences in rats
Project/Area Number |
20H03545
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐々木 拓哉 東北大学, 薬学研究科, 教授 (70741031)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 海馬 / 神経同期活動 / 記憶 / 学習 / 場所細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳においては、新しい経験を学習することで、神経細胞集団の協調的な活動パターンが多様な形で再構成され、個々の細胞自体の興奮性や細胞間の機能的結合に変化が生じる。特に海馬は、学習によって変化が明瞭に生じる適切なモデル回路の1つであり、環境を経験した後の休息や睡眠時などオフライン期に、神経細胞集団の同期的な再活性化のパターンが生じる。経験後の同期的な再活性化は、休息/睡眠時に頻繁に生じるシャープウェーブリップルと重なっており、これが初期の不安定な記憶の定着に必要であることが示唆されている。本研究では、運動中の記憶獲得時における場所細胞の表象パターンと、報酬を得ている間の同期的な神経細胞集団の発火活動という2つの神経スパイクパターンが、新しい経験後の同期的な再活性化パターンにどのように組み込まれるかを解析した。特定の場所での動物のバイアス経験を抑制するために、すべての場所を均等に訪れるような簡単なリニアトラック課題を活用した。報酬中の同期的な神経活動が重要であるかを因果的に検証するために、本研究において新たに開発したクローズドループ系を用いた電気的刺激により、神経同期活動を選択的に妨害した。この実験系を用いて、解析を行ったところ、新しい経験における空間的選択性に加えて、報酬時に生じるような同期的な神経活動が、その後の休憩時における同期的な再活性化パターンの形成に重要な役割を担うことを発見した。以上の結果から、海馬においてよく知られた場所選択性の発火パターンに加えて、報酬時の同期的な神経スパイクパターンが、効率的に新しい記憶に必要な神経細胞ネットワークの形成や維持に重要であることが示唆された。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)