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2021 Fiscal Year Annual Research Report

先端的光計測・光操作技術による期待外れを乗り越える意欲の神経機構の解明

Research Project

Project/Area Number 20H03547
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

小川 正晃  京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (00716186)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 林 勇一郎  関西医科大学, 医学部, 博士研究員 (90378737)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords報酬
Outline of Annual Research Achievements

ヒトは、現状より高い目標を設定し、期待通りに行かない期待外れの場合にも、その目標を諦めるよりは、むしろ逆に乗り越えようとすることで、将来の成功に繋げる。この意欲が不足すると社会的に適応できない。しかし、期待外れを乗り越える意欲を担う神経機構は解明されていない。本研究は、光による、先端的な神経活動計測法や神経活動の操作法を開発・導入することによって、その神経機構を解明する。具体的には本研究は、報酬系の主な要素で従来は期待外れに対して行動を弱化する過程に重要とされてきた中脳ドパミン細胞が、期待外れを能動的に乗り越える意欲を担うことを、ラットを用いて明らかにする。
本研究の具体的目標は、第一に、新規ドーパミン細胞活動の性質の意義を明らかにすることである。そのために、初年度に確立した、小型の埋め込み型蛍光顕微鏡を用いた中脳ドパミン細胞からの1細胞レベルのカルシウムイメージング技術を用いて、不確実な報酬を求める行動課題を遂行中ラットの神経活動計測を進めた。期待外れが生じる瞬間に細胞内カルシウム量が増加する新規ドーパミン細胞の存在を確認し、そのデータ解析を進めた。また、中脳内のどの場所に新規ドパミン細胞が多いのか詳細に調べた。また、報酬消去課題やパブロフ型課題などの行動課題を確立し、状況特異的にその活動がどう変化するのかについて検討した。さらに、1細胞レベルで多数のドパミン細胞の活動を同時に計測するために、複数平面のカルシウムイメージング法のための機器セットアップを終えた。
第二の目標は、新規ドパミン細胞の活動が行動に果たす神経回路メカニズムを解明することである。その目標に向けて、新規ドパミン細胞の活動増加が期待外れを乗り越える行動に果たす役割を解明するための課題において、ドパミン神経回路特異的に光遺伝学法を導入し、その因果的役割を解明した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の目標は、第一に、我々が独自に見出している新規ドパミン細胞活動の性質の意義を、明らかにすることである。その目標達成に向けて、期待外れを乗り越える意欲を強く誘導するラットの行動モデルと神経活動イメージング法と融合し、データ取得も順調に進んでいる。また、新しいイメージング法の開発を着実に進めた。
第二の目標は、新規ドパミン細胞の活動増加が、期待外れを乗り越える行動に果たす神経回路メカニズムを解明することである。その目標に向けて、行動課題を複数開発し、さらに複数のドパミン神経回路特異的に光遺伝学法を導入し、その因果的役割の検討を開始し、回路によって、機能が異なる可能性を見出した。
以上、おおむね研究は順調に進展しているといえる。

Strategy for Future Research Activity

第一の目標達成にむけて、小型の埋め込み型蛍光顕微鏡を用いた、中脳ドパミン細胞からの、1細胞レベルのカルシウムイメージング技術などを用いたデータ取得と解析を完成させる。報酬に関する状況を様々に変化させて、その状況の変化に対して活動がどう変化するのかについて解析することで、その意義を解明する。また、1細胞レベルで多数のドパミン細胞の活動を同時に計測するための複数平面のカルシウムイメージング法の応用を開始する。また、第二の目標達成にむけて、神経回路特異的な光遺伝学法の実験結果の解析を行う。

  • Research Products

    (6 results)

All 2022 2021 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Int'l Joint Research] 北京大学(中国)

    • Country Name
      CHINA
    • Counterpart Institution
      北京大学
  • [Presentation] The neural basis for overcoming failure: a dopamine circuit facilitates switching toward new goals2022

    • Author(s)
      Masaaki Ogawa
    • Organizer
      The international symposium on development and plasticity of neural systems
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] A potential role of mesolimbic dopamine system in overcoming omission of expected reward2021

    • Author(s)
      Seiya Ishino, Gideon Sarpong, Taisuke Kamada, Hisa Mukohira, Reo TsukaYulong Li, Naoki Honda, Kenta Kobayashi, Naoya Oishi, Masaaki Ogawasa,
    • Organizer
      第44回日本神経科学大会
  • [Presentation] 不確実な報酬を求め続けるための中脳辺縁ドーパミン回路の潜在的役割2021

    • Author(s)
      石野誠也、鎌田泰輔、Gideon Sarpong、司玲央、向平妃沙、Yulong Li、小林憲太、本田直樹、大石直也、小川正晃
    • Organizer
      第113回近畿生理学談話会
  • [Presentation] 報酬予測誤差に対する相反するドーパミン信号伝達2021

    • Author(s)
      小川正晃
    • Organizer
      大阪大学蛋白質研究所セミナー
  • [Remarks] 小川正晃 研究室

    • URL

      https://sites.google.com/view/ogawagroup/

URL: 

Published: 2023-12-25  

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