2020 Fiscal Year Annual Research Report
モデル細胞株を活用した骨髄異形成症候群の白血病化を阻止する戦略
Project/Area Number |
20H03582
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
通山 薫 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80227561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
通山 由美 姫路獨協大学, 薬学部, 教授 (70362770)
片岡 浩巳 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (80398049)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 骨髄異形成症候群 / 白血病化 / 遺伝子変異 / シングルセル解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨髄異形成症候群(MDS)は、血球減少に加えて急性骨髄性白血病(AML)に移行しやすい難治性造血障害であるが、発症と病型進展のメカニズムには解明すべき点が多い。また造血幹細胞移植を除いて有効な治療法に乏しいのが現状である。 本研究では、申請者が樹立したMDSからAMLへの移行を表現した細胞株を用いて全エクソン塩基配列および単一細胞レベルでの(シングルセル)RNAシークエンス解析を行う。そしてどのようなゲノム背景と遺伝子発現プロファイルをもつクローンが次の、より悪性化した細胞集団を形成し、クローンとして病型進展していくのかという分子機構を探索する。さらにその過程で抗腫瘍薬感受性の相違点を見出し、MDSからAMLへの移行を阻止する新規治療戦略への基盤の構築を目的とする。 2020年度から研究を開始したが、新型コロナウィルス感染症の拡大のために緊急事態宣言が発令される事態となり、県外出張を伴う専門業者との打ち合わせが延期となるなど研究の中断を余儀なくされることとなった。 2021年3月からようやく解析のためのサンプリングを実施できるようになり、2021年度に入りさらに2回のサンプリングを行い、合計3回のサンプリングによって6細胞株からの解析データを得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の基盤となる細胞株からのサンプリングには新規機器の使用と複雑な実験行程があるため、県外業者との打ち合わせ、実験トレーニングが必須であるが、新型コロナウィルス感染症の拡大のためにそれらの実践がしばらくできなかったことから、シングルセル解析に供する各細胞株サンプリングの遂行が、当初の計画よりも1年以上遅れる事態となった。 2021年度末にようやく6細胞株からのサンプリングを完了し、基本的な解析データを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度末に6細胞株からのサンプリングを完了し、基本的な解析データを得ることができたので、今後本格的な解析に着手し、候補遺伝子の絞り込みを進めていく段階である。病型進展に関連すると思われる候補遺伝子をすでに複数個抽出しており、2022年度中に共同研究者とともに遺伝子改変実験を遂行するべく、現在協議中である。
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Research Products
(3 results)