2020 Fiscal Year Annual Research Report
人工知能による高齢者の不安全運転の予測モデルの確立と神経基盤の解明
Project/Area Number |
20H03607
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山縣 文 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任准教授 (30439476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小竹 元基 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (10345085)
平野 仁一 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 専任講師 (60574910)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自動車運転 / 高齢者 / 認知機能 / 脳画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は世界的にCOVID-19の感染が拡がり、日本国内においても緊急事態宣言が発令され行動制限が行われていた。本研究の対象者は65歳以上となっており、高齢者は重症化のリスクが高いことや基礎疾患を有している者も多いため、研究協力者の感染予防の観点からの安全を第一に考えリクルートおよびデータ収集を中断していた。
その間、これまでに蓄積できたデータの一部を用いて、新たにデータを解析し、論文発表を行った(Yamamoto, Yamagata. Front. Aging Neurosci 2020)。本研究では健常高齢者を対象に一時交差点での実車運転技能から安全運転群と不安全運転群の2群に分けて、構造MRIのデータがどのくらいの精度でこの2群を判別するか機械学習を用いて検討をした。その結果、87.5%という高い精度で群間を判別することに成功した。さらにその判別モデルに大きく寄与していた部位として左の背外側前頭前野、特に前頭眼野に位置する領域と左の下頭頂小葉に位置する領域が選ばれていた。これらの脳領域は、背側注意ネットワークの一部であるため、高齢者の不安全運転にこれらのネットワークを構成する脳領域の構造異常が関与している可能性が示唆された。
本研究は実車評価をしている点、脳画像による高い精度での不安全運転群の予測モデルを作成した点、さらに、背側注意ネットワークにおける脳構造異常が主に不安全運転に関与している点において学術的に意義の高いものであると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は世界的にCOVID-19が流行しており、日本国内においても緊急事態宣言が発令され行動制限が行われていた。本研究の対象者は65歳以上となっており、高齢者は重症化のリスクが高いことや基礎疾患を有している者も多いため、研究協力者の安全を第一に考えリクルートおよびデータ収集を中断せざるを得なかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は研究協力者のリクルートを再開し、実車運転のデータを集積し、その後、認知機能検査、脳画像検査を収集していく。 その後、集積したデータを解析し、学会発表・論文発表を進めていく。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Regional Gray Matter Volume Identifies High Risk of Unsafe Driving in Healthy Older People2020
Author(s)
Yamamoto Yasuharu, Yamagata Bun, Hirano Jinichi, Ueda Ryo, Yoshitake Hiroshi, Negishi Kazuno, Yamagishi Mika, Kimura Mariko, Kamiya Kei, Shino Motoki, Mimura Masaru
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Journal Title
Frontiers in Aging Neuroscience
Volume: 12
Pages: 1-11
DOI
Peer Reviewed / Open Access