2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of monoaminergic biomarkers for the treatment of schizophrenia with direct current stimulation
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20H03610
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
住吉 太幹 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 児童・予防精神医学研究部, 部長 (80286062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中込 和幸 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, その他部局等, 理事長 (30198056)
高野 晴成 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 脳病態統合イメージングセンター, 部長 (30348792)
松元 まどか 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 児童・予防精神医学研究部, 室長 (50311337)
白間 綾 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 児童・予防精神医学研究部, 室長 (50738127)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 経頭蓋直流刺激 / モノアミン / バイオマーカー / 統合失調症 / 認知機能 / 社会認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
経頭蓋直流刺激(transcranial direct current stimulation, tDCS)の、統合失調症患者における認知機能や社会機能への効果を調べる臨床研究を実施した。併せて、tDCSは先行研究に準じて実施する。併せて、瞳孔径律動など神経生理指標を測定し、tDCSの効果を予測する簡便な生体指標の探索を行った。 tDCSは既報(Narita et al. 2017, 2018)に準じ、陽極を左側前頭部に設置し2mA x 20分の通電を計10回施行した。認知機能および日常生活技能の評価には、申請者らが開発し妥当性を確認した、神経心理学的バッテリーであるBACS日本語版(Kaneda, Sumiyoshi et al. 2007)およびロールプレイによる客観的評価法であるUPSA-B(Sumiyoshi et al. 2014)を用いた。また、社会認知機能へのtDCSの効果についての検討も行った。瞳孔径の継時変化(ゆらぎ)の測定は既報(Shirama, et al. 2016など)に準じて、ウエラブルなアイトラッカーを用いた計測を行い、瞳孔径や瞳孔径の低周波律動を測定した。 以上の研究活動により、2022年度は、tDCS陽極刺激を左側上側頭溝に対し行うことで、統合失調症患者の社会認知機能が改善することを、国内外で初めて報告した(下記)。 Yamada Y, Sueyoshi K, Yokoi Y, Inagawa T, Hirabayashi N, Oi H, Shirama A, Sumiyoshi T: Transcranial direct current stimulation on the left superior temporal sulcus improves social cognition in schizophrenia: An open-label study. Frontiers in Psychiatry 2022 ;13:862814. また、tDCSの統合失調症治療に関する発信を、国内学会でのシンポジウムにで4個行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度末現在、tDCSの日常生活技能に対する効果を見るランダム化比較試験に29名の被験者が割り振られている。さらに、tDCSの統合失調症患者における社会認知機能の改善効果を発信したことなど、ほぼ当初の予定通り研究が進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
被験者のリクルートを促進するため、当研究機関(NCNP)の病院部門に設置されている統合失調症早期診断・治療センター(EDICS)との協働をさらに進める。具体的には、EDICSコホート研究の被験者に対し、当研究参加について啓発を行う。 tDCSの効果は、刺激対象となる脳部位で異なる可能性がある。そこで、tDCS陽極刺激を前頭葉あるいは側頭葉に行った際の臨床効果の差異も検討する。
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