2021 Fiscal Year Annual Research Report
半導体SPECTの急速的普及を果たすTlBrガンマ線イメージングアレイの開発
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20H03629
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
小野寺 敏幸 東北工業大学, 工学部, 准教授 (10620916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
人見 啓太朗 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60382660)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 臭化タリウム / SPECT / ガンマ線検出器 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、プレス成型で得られるTlBr結晶(20mmx20mm)の更なる高品質化と結晶性およびデバイス評価について並行して進めてきた。高品質化では、試料取り出し時に生じるTlBrが接するパンチプレートとの固着によるクラックを防ぐため、新たに特殊表面処理を施したパンチプレートを採用し課題解決した。また、2020年度まではプレス原料に試薬レベルのTlBr粉末を使用してきたが、2021年度は帯域精製法を用いて独自に高純度化したTlBrを使用した。 プレス成型したTlBr結晶の結晶性の評価では、従来までX線回折を用いてきたが、試料の面内方位分布を詳細にみいだすため、電子後方散乱回折(EBSD)を用いた評価法を追加した。その結果、従来まで単結晶と推測していた試料面は僅かに異なる複数の方位から構成されており、改善の余地がみられた。 得られた試料をもとに金電極を持つ単画素のガンマ線検出器を製作し、137Csからのガンマ線を照射し、ガンマ線応答スペクトルを取得した。その結果、未精製原料と比較すると独自精製したTlBrを用いた方がTlBr検出器からの出力が改善したが、一般的な結晶成長法である融液成長で育成したTlBr結晶と比較すると十分とは言えなかった。しかしながら、TlBr検出器からはガンマ線照射にともなう明確なパルスが得られており、現状の特性であってもイメージング検出器として動作する可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
EBSDの結果から結晶性の改善が必要であるが、概ねプレス条件は確立しており、動作可能なデバイスの試作は可能と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
段階的加圧や成型後処理等を導入することで結晶性の向上を図る。また、複数画素を有するデバイスを試作する。
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Research Products
(4 results)