2023 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト神経筋接合部モデルを用いた先天性筋無力症候群などの病態解析
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20H03642
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
斎藤 潤 京都大学, iPS細胞研究所, 教授 (90535486)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 神経筋接合部 / 多能性幹細胞 / 脊髄性筋萎縮症 / SMN |
Outline of Annual Research Achievements |
先天性筋無力症(CMS)及び脊髄性筋萎縮症(SMA)を対象としたNMJ病変の疾患モデルを構築している。 CMSについて、CHRNE(アセチルコリン受容体εサブユニット)をノックアウトしたiPS細胞を神経筋接合部に分化誘導したところ、神経筋接合部構成能の低下を認めた。またこれに関連して筋収縮能の低下を認めた。さらに、CHRNE及び胎児型サブユニットCHRNGの発現を確認した。現在論文投稿準備中である。 SMAについて、SMA患者さん由来の疾患特異的iPS細胞およびSMN欠損マウス筋芽細胞を用いて研究を行い、SMAにおいて、骨格筋の形成過程でmiR-1およびmiR-206の発現量が低下することで、ミトコンドリアの機能異常が引き起こされることを明らかにした。加えて、SMNがmiR-1およびmiR-206の転写開始点上流に結合していることを見出し、SMNがこれらの発現調節に関与している可能性を示した。また、SMAモデルマウスより単離した骨格筋幹細胞にmiR-1およびmiR-206を導入し筋管細胞へと分化誘導した場合、ミトコンドリアの機能、筋管細胞形成、骨格筋の収縮能が改善することがわかった。以上を踏まえ、SMNが転写制御を行うメカニズムをさらに詳細に解明することを目標に研究を進めている。現在、ゲノム上のSMN結合部位特異的に近接する分子を同定するための解析系を構築中である。また、miRNAを標的とした治療法がSMAモデルマウスの生存期間を延長するかどうかを評価するため、マウスへのmiRNA導入方法を検討している。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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