2021 Fiscal Year Annual Research Report
エピゲノム修飾因子NSD1の標的遺伝子同定に基づく精神発達遅滞の分子病態解明
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20H03643
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
副島 英伸 佐賀大学, 医学部, 教授 (30304885)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ソトス症候群 / NSD1 / コンディショナルノックアウトマウス / DNAメチル化 / トランスクリプトーム |
Outline of Annual Research Achievements |
抗NeuN抗体を用いたセルソーティングにより、脳特異的Nsd1コンディショナルノックアウトマウス(Nsd1-cKOマウス)の海馬から成熟ニューロン核を分取した。これらの細胞核を用いて、全ゲノムDNAメチル化解析(Illumina Mouse Methylation ArrayとEM-seq)とトランスクリプトーム解析(RNA-seq)を行った。DNAメチル化解析から、遺伝子間領域で低メチル化が起きていること、遺伝子領域は遺伝子によっては高メチル化を示すことが明らかとなった。遺伝子間領域の低メチル化はNsd1が遺伝子間のH3K36me2レベルを制御していることと一致する。また、トランスクリプトーム解析では、発現上昇する遺伝子1,549個、発現減少する遺伝子908個を同定した。これらの発現変動遺伝子のオントロジー解析では、development関連遺伝子、神経関連遺伝子が含まれていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全ゲノムDNAメチル化解析(Illumina Mouse Methylation ArrayとEM-seq)とトランスクリプトーム解析(RNA-seq)を行った。データの詳細な解析を勧めている。また、ChIP-seqの条件検討を進めている。二光子顕微鏡による脳深部バイオイメージング解析のためのH-line(Thy1-YFP)マウスとNsd1-cKOマウスを交配が進み、目的のgenotypeのマウスを得ることができた。今後の解析のために数を増やしているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
抗NeuN抗体を用いて分取した成熟ニューロン核のエピゲノム解析を進める。エピゲノム解析は、ヒストン修飾(H3K36me2、H3K36me3、H3K27me3、H3K27ac、H3K4me1)を対象としたChIP-seqを行う。これまでに得られたデータとChIP-seqデータを統合することで、NSD1の標的ゲノム領域 or 標的遺伝子を同定する。また、二光子顕微鏡による脳深部バイオイメージング解析を進める。
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Research Products
(18 results)