2022 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of in utero environment on pathogenesis of neurodevelopmental disorders
Project/Area Number |
20H03649
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高橋 孝雄 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (80171495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三橋 隆行 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (80338110)
芝田 晋介 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 訪問教授 (70407089)
久保 健一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20348791)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 神経発生 / 大脳皮質 / 胎内環境 / エピゲノム / 細胞周期 |
Outline of Annual Research Achievements |
正常な大脳皮質発生においては、神経幹細胞の分裂増殖・分化誘導が秩序だって進行することが極めて重要である。我々の先行研究より遺伝子異常や環境汚染物質・薬物の胎内曝露等により神経幹細胞の細胞分裂動態に異常を生じ、神経細胞数が変動することで大脳皮質構築異常を生じる点が判明している。さらにこれらが生後の自閉スペクトラム症等の発達障害の発症要因になりうる点があきらかになりつつある。 本研究は、ここ数十年間、日本での増加が懸念されている胎内低栄養状態や母体軽症感染がエピジェネティクス機構の異常を介して大脳皮質構築異常を生じる可能性について検討し、さらに皮質構築異常が生じうる上記精神疾患発症との関連性について明らかにすることを目的に実施した。 本年度は、胎内低栄養が大脳皮質を形成する神経幹細胞の遺伝子発現パターンに与える影響をRNA-seqにより解析した。胎生12日目の胎児大脳壁から抽出したRNAを用いて解析した結果、胎内低栄養群では正常と比較し169個の遺伝子に発現変化を認め、110個が増加、59個が減少していた。遺伝子オントロジー解析の結果、神経細胞産生、軸索形成、神経細胞分化等に機能する遺伝子群が減少、蛋白代謝、翻訳機構、有機窒素化合物の生合成に関与する遺伝子群が増加することが判明した。 一方、母体感染が大脳皮質発生に与える影響については、神経幹細胞から産生された神経細胞の生後21日目大脳皮質内分布について前年度の解析結果の再現性確認を行い、胎生14日目に産生された神経細胞数が増加し、大脳皮質内分布パターンが正常コントロールと比較して深層に偏ることを確認した。またpoly I:C投与による大脳皮質菲薄化が皮質全層にわたり非特異的であったことから、アポトーシスの影響を検討する目的でTUNEL染色を実施し、TUNEL陽性細胞がpoly I:C投与群で増加していることを明らかにした。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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