2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of molecular mechanisms of closure of the ductus arteriosus and development of pharmacological therapy of patent ductus arteriosus
Project/Area Number |
20H03650
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
横山 詩子 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (70404994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 玄理 東京医科大学, 医学部, 准教授 (40743331)
林 由起子 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (50238135)
谷藤 章太 東京医科大学, 医学部, 助教 (50529245)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 動脈管 / リモデリング / 細胞外マトリクス |
Outline of Annual Research Achievements |
現在約3割もの超未熟児が血管収縮を標的とした現在の治療に抵抗性である。すなわち動脈管の閉鎖は血管平滑筋を収縮させるだけでは十分ではない。動脈管の完全な閉鎖には、血管収縮と共に“内膜肥厚形成”が重要な役割を果たす。研究代表者は先行研究で、EP4を介して細胞外マトリクスであるFibulin-1が著明に増加することを見出した。本研究では、Fibulin-1を中心とした細胞マトリクス連関に焦点を当てて動脈管の内膜肥厚形成の分子機序の全容を解明し、EP4とFibulin-1の発現誘導をもたらす機序を明らかすることで、内膜肥厚形成を促す動脈管開存症に対する新たな戦略を見出すことを目的とした。これまでの研究で、バーシカンのヒアルロン酸結合部変異マウス(VcanΔ3/Δ3)の動脈管でも30%が動脈管開存症となることを明らかにしたことから、バーシカンとヒアルロン酸の結合比率を検討した。EP4を過大発現した血管平滑筋細胞において、バーシカンのGAGbetaドメインに対する抗体を用いてウェスタンブロットを行ったところ、バーシカンサブタイプのうち、V0とV1アイソフォームが同等に検出された。これらのサンプルをあらかじめヒアルロニダーゼ処理を行ってウェスタンブロットを行うと、V0とV1アイソフォームのバンドの著明な増強が認められた。これらの結果より、バーシカンの多くはヒアルロン酸と結合していることが示されたことから、バーシカン―ヒアルロン酸結合も動脈管平滑筋細胞の遊走に重要であることが示唆された。さらに、EP4発現するとGFPの蛍光強度が増すトランスジェニックゼブラフィッシュの作製に成功し、in vivoでのEP4発現制御を検討すべく準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平滑筋細胞から分泌されるFibulin-1とヒアルロン酸、フィブロネクチンと、内皮由来のバーシカンが結合し、平滑筋細胞を内皮側へと遊走させて内膜肥厚形成に至ることを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、細胞外マトリクス受容体シグナルが平滑筋細胞の方向性遊走に及ぼす作用の検討と、Fibulin-1の発現を亢進させる分子機序と化合物の検討を行い、動脈管におけるEP4シグナルを介する細胞外マトリクスの作用とFibulin-1発現の機序について明らかにする。
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Research Products
(21 results)