2021 Fiscal Year Annual Research Report
Early diagnosis of pancreatic cancer based on diversity of field defect and molecular genetic approach
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20H03655
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
水上 裕輔 旭川医科大学, 医学部, 教授 (30400089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 裕介 医療法人徳洲会札幌東徳洲会病院医学研究所, ゲノム診断研究部, 部門長 (40742648)
唐崎 秀則 医療法人徳洲会札幌東徳洲会病院医学研究所, がん生物研究部, 客員研究員 (50374806)
谷上 賢瑞 東京大学, アイソトープ総合センター, 特任准教授 (90648627)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 膵癌 / IPMN / 多領域シーケンス |
Outline of Annual Research Achievements |
【膵癌切除材料生検体を用いた多領域サンプリング解析】膵癌患者8例を対象に、切除材料生検体よりMACSシステムを用いて腫瘍細胞分画の分離を行った。十分量の腫瘍細胞数を得られた検体を用い、RNA-seq解析に加えナノポアによるロングリードシーケンシングを行った。各検体において、病理診断用の固定材料を用い、発現解析に使用した病変部に相当する箇所でターゲットシーケンシングによる変異プロファイリングを行い、低異型度から高異型度病変への進展、さらに浸潤に至る分子経路の特定を行っている。腫瘍組織内の特定領域における変異情報と発現情報の対比のため、RNA-seqデータから得られた変異情報とターゲットシーケンシングとの結果の対比を進めている。また今後、多領域シーケンシングに加え、空間トランスクリプトームの導入を行うべく、適格症例の選別を行った。
【膵癌の全割固定標本を用いた主病変と背景病変の分子情報の取得】通常型膵癌及び膵IPMN関連癌切除材料の全割固定標本を詳細に検鏡し、肉眼的正常膵におけるPanINをはじめとする前駆病変(背景膵病変)の多発が確認できる症例を3例選別した。H-E及びCLDN18免疫染色をもとに、切除対象となった主病変(指標病変)を組織学的な多様性を基に多領域の分画に分けて、さらに背景病変を症例あたり40-100箇所をマッピングし、これらの病原の異型度と空間的な分布情報を取得した。さらに、FFPE材料を用いて連続切片を作成し、これらの病変群のより抽出した核酸を用いて、KRASを始めとする代表的な膵癌関連遺伝子をカバーするカスタムパネルを用いて変異情報を得た。その結果、指標病変におけるドライバー変異のプロファイルと、各々の背景膵病変が占拠するエリア分布についての法則を見出しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞分離作業は軌道に乗り、シーケンス解析に十分な細胞数を得るためのプロトコールは確立した。しかし、コロナ感染症の蔓延のため、予定されていた手術が延期されるなど、生細胞試料を用いた研究計画に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度はFFPE材料を用いて連続切片から病変由来の核酸を得る際高いシーケンス成功率を得るために微小病変に一定の選択基準を設けるなどの工夫を行う。また、膵癌切除材料生検体を用いた空間トランスクリプトーム解析を先進ゲノム支援の協力を得て進める計画である。
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Research Products
(17 results)