2021 Fiscal Year Annual Research Report
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20H03683
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
菊地 和 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (10638240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 健太郎 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 上級研究員 (50470191)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 心筋細胞 / 脱分化 / 増殖 / 転写因子 / ゼブラフィッシュ / マウス / 心筋再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は前年度から引き続きKlf1を起点とする心筋細胞脱分化・増殖亢進プログラムの解明(研究項目1 )を進め、Klf1が直接発現制御に関わる新規転写因子の複数同定した。これらの転写因子の発現解析を実施するとともに、in vivoでの機能解析のための遺伝子導入魚を作製した。これらの遺伝子導入魚を用いた予備実験では心筋細胞の脱分化に特異的な機能を持つことが示唆され、これらの新規転写因子の解析を進めることで心筋再生機序の解明が進むことが期待される。今後、網羅的遺伝子発現解析、ChIP-seq解析、メタボローム解析などを進め、更なる分子機序の解明を目指す。また、前年度より進めているKlf1遺伝子導入マウスの作製では(研究項目2)5系統を樹立し、そのうち2系統で比較的高いレベルの心筋発現を観察した。現在この2系統に焦点をしぼり解析を進めている。予備的実験では、出生後初期にKlf1の発現を心筋特異的に発現した個体において生後14日を経過しても心筋細胞分裂が観察されており、マウスにおいてもKlf1の心筋細胞増殖の誘導効果が示唆された。しかし、成長過程にあるマウスを用いた解析ではコントロールマウスの心臓に見られる心筋細胞の増殖レベルが一定せず、今後信頼性の高い解析を実施する上での困難が予想される。そのため、現在、申請書にある成体での解析(研究項目3)に注力するべく樹立した遺伝子導入マウスを心筋特異的Creマウスと交配中である。十分数のマウスが得られた場合は、組織学的解析、網羅的遺伝子発現解析などを実施するとともに、心筋梗塞モデルを用いた治療効果の判定実験を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究項目1において新たな進展が見られ、また、研究項目2、研究項目3の遂行に必須な遺伝子導入マウスの作製が終了し、現在解析のための交配が進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究項目1の進展から得られた新規転写因子の解析を進めるとともに、研究項目2、研究項目3の遂行に必須な遺伝子導入マウスの交配を終了し、魚ーマウス間比較、心筋再生効果の検討を実施する。
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Research Products
(11 results)