2020 Fiscal Year Annual Research Report
肺線維症責任遺伝子同定と疾患由来iPS細胞分化肺細胞による細胞死と線維化の関連性
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20H03687
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| Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
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Principal Investigator |
瀬戸口 靖弘 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 特任教授 (90206649)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 泰成 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30396999)
後藤 慎平 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (50747219)
岡本 師 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (60724200)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | 肺線維化 / サーファクタント関連遺伝子 / 小胞体ストレス / ネクロトーシス / iPS細胞 / エクソーム解析 / RNA sequence |
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| Outline of Annual Research Achievements |
SFTPA1変異から明らかにしたnecroptosisによる肺線維化の機序をヒト細胞で明らかにするために提供者同意の基にSFTPA1ホモ接合変異症例とヘテロ接合変異症例の末梢血由来iPS細胞を樹立した。遺伝子発現を比較する必要からゲノム編集で修復した同一個体由来のiPS細胞の作成も完了した。これらのiPS細胞を用いたオルガノイド形成による肺胞II型上皮細胞、線維芽細胞の分化誘導中である。分化誘導できたところでsingle cell transcriptomeで発現遺伝子のパターン、ERストレス、necroptosisの引き金となるRIPK3の発現について解析をおこなう計画である。本邦症例では、変異ホモ接合体のみが肺線維化を発症し、欧州症例ではヘテロ接合体でも肺線維化を報告している。その原因も明らかにできるのではと考えている。また本研究の目的である細胞死の一つnecroptosisへのシグナルの解明で起点となる小胞体（ER）ストレスについてERストレス自体についても強弱の存在を仮定している。この点についてもERストレスの定量化システムの構築も試みた。これまで集積したsurfactant protein C遺伝子(SFTPC)変異の発現ベクターの作成も行い、両システムを用いてERストレスの定量化が可能であることを確認した。今後、複数のSFTPC, SFTPA変異でERストレス定量化を調べ汎用化の可能性についても探る予定でいる。このことによりSFTPA1, SFTPA2, SFTPC変異だけでなく広くERストレスを起こす可能性のある疾患等への応用も可能となるのではないかと考えている。
現在も症例が蓄積されつつある家族性間質性肺炎症例、若年成人発症進行性肺線維症例16例の網羅的エクソーム解析を実施し、解析終了したものの中で新たに10の新規の発症責任遺伝子を同定した。残りの症例についても解析をすすめる。責任遺伝子変異が明らかになった症例で承諾がえられたものは、末梢血からiPS細胞の樹立を試みる計画である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナ感染拡大に伴い、大学附属解析研究室等の一時閉鎖などもあり当初予定していた研究に少々遅れが生じている。しかし、その様な中でも16症例の全ゲノムエクソームsequenceは終了し、現在、データ解析80%終了している。SFTPA1遺伝子変異症例の変異ホモ接合を有している症例と変異ヘテロ接合症例の末梢血からのiPS細胞作成は終了し、対比のための各症例から作成されたiPS細胞の変異部分のゲノム編集による修正作業は進行中である。サーファクタント関連遺伝子特にSFTPA1, SFTPA2、SFTPC各遺伝子変異によるERストレスの定量性評価システム構築を行った。研究の一部の成果を国際医学雑誌へ投稿しrevise中となっている。
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| Strategy for Future Research Activity |
以下の3点について研究予定である。
1．SFTPA1遺伝子のホモ接合変異、ヘテロ接合変異iPS細胞、ゲノム編集により修復したiPS細胞からのオルガノイド作成2時間を要しているが、2021年度の上半期には分化した肺胞II型上皮細胞、間葉系細胞の誘導の見通しがついてきている。系が安定し次第、single cell RNA sequenceを行い発現遺伝子の動態の評価の予定であるが、学内の解析室が、新型コロナ感染症の拡大等による使用が困難になる可能性もあるため、外部へ解析のみを受託依頼することも念頭に計画をすすめている。その結果を基に所有しているSFTPA1変異遺伝子knock-inマウスのデータと比較し、線維化の起点を探る予定である
2．ERストレスの定量化システムを拡大させ複数のサーファクタント関連遺伝子の変異no
データで臨床データとの対比を行う
3.新たに行った16症例のエクソームsequence解析を終了させ、2020年度に新規同定した遺伝子変異を含め、サンガー法で確認作業を行い、可能ならiPS細胞作成への準備もおこなう。
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